神をも狂わすもの

□8. 狂わされる
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晩御飯を食べ終えお風呂にも入り終えた私はエネルの部屋でごろごろしていた。

今夜、私はエネルへの復讐を果たす。私はその時を待ちわびていた。

「上がったぞ」

エネルはお風呂から帰ってきたようで、まだ少し体が濡れている。
私はそれを気にせず、ベッドから降りるとエネルの元へ行き腕を引いてベッドに戻る。

「どうしたのだ」

「寝よう...私眠い」

私が先に布団に潜ると、エネルも入ってきた。
そのままエネルは私の体に腕を回し、後ろから抱きしめてくる。
ちょっと嫌な体勢だなと思いつつも、私はエネルが眠ってくれるのを待った。

暫くすると、エネルは私を抱きしめる腕に力を入れた。
そして、エネルは何故か寂しげな声で私の名前を呼んだが、私は寝た振りを続ける。

また、腕に力が入った。

「どうすればキルラが俺のものに...神の俺が望んだものを手にできんわけがない...」

私は目を見開いた。
どうしてこんなにエネルは私のことを...今夜こんなにも私のことを想ってくれている者を殺すと考えると心が痛み出す。

でも、違うの...そう、エネルは復讐すべき相手...。
どうしてこんなに言い聞かせなければならないんだろう...



1時間も経つと、エネルはもう寝たようだ。寝息が聞こえることを確認し、体に巻きついた力の緩んだ腕を静かに解く。

私は、腕をベッドの下に伸ばし何とか刃物を手に取った。

横を向いていると刺しにくいためエネルを仰向けにする。

これで完璧。

私はエネルの横に正座をして、心臓に狙いを定め刃物を立てた。

やっとこの時が来た...!!

起きてしまわぬようさっさと済ませよう...私は目を瞑り迷わず心臓を突き刺した。

さよなら...エネル...。

......こんなにも綺麗な最後なの?

こういうのって、何か飛び散る綺麗な赤いものとかがあるんじゃ...


私はゆっくり目を開けた途端、刃物から手を離しベッドから落ちるように離れた。
どうして...?!

エネルは目を開いて私を見ていた。そして不敵な笑みを浮かべ、胸に刺さった刃物を抜くと雷がバチバチと音を立てた。

失敗するなんて嫌!!私は一か八かエネルに飛びかかり足で首を踏みつけながらエネルの腹を痛めつける。

「嫌だっ...何で、何で起きるのよ!!何で死なないのよ!!」

エネルは何も感じていないように、いつも通りの表情で、私の足を掴み上半身を起こした。

「罰が必要だな」

そのままベッドに押し倒され、私はすぐに起き上がるが首を片手で掴まれベッドに押し付けられる。

「んぐっぁ...離せっ...」

意識が遠のくぐらいに首を絞められ、涙が出てくる。

「やめ...てっ...」

「俺を殺そうとした罰だ」

冷たい目で私を見下すエネルの表情は悲しそうだった。

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