神をも狂わすもの

□1. 崩壊の日
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「俺も相当嫌われたものだ...まぁいい、別れのキスでもするか?」

「はぁ?!ふざけんな!!!!ん、んんッ!!」

エネルはいきなりくだらないことを言うと私の唇を奪った。

何でこんなこと!!最悪、最低よ!!

大っ嫌いな男にファーストキスを奪われるなんて...!!!!

こいつは何がしたいのよ...っ!!

私は悔しさと怒りでとうとう涙が流れた。

私はエネルの胸板を押して離れようとするが力が強すぎて動かない。

離れられないせいでキスは激しくなり、口を割って舌まで入れてくる。
むしろもっとくっつくことになってしまった。
私は絶望感に浸り頭が真っ白だった。

何故、エネルはこんなこと...

唇が離れると、混ざりあった唾液が滴り落ちる。

エネルは口についたそれを指で拭い、満足そうな笑みを浮かべた。

「お前は俺の気持ちがわからないだろうがまぁいい」

私は何も言わずに聞いていた。
あんたの気持ち...?

突然、ビルカを襲って私をボロボロにした挙句、キスまでしやがった...わかるわけないだろうが!!

「俺はこことは別の場所に行く。お前を連れて行ってやろうと思ったが...残念だ」

あぁ、勝手に行け...誰が一緒に行くものか!!

「お前は強いが俺には及ばん...じゃあ、生きていたらまた会おうキルラ...ヤハハハハハ!!」

...こんなにも滅びた都市に私を一人残しやがって...殺しもせず。

私は去って行くエネルの背中を見て意識を失った。

全てが崩壊した日だった。




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