神をも狂わすもの
□6. 心の空白感
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部屋につくと私は部屋を見渡した。
エネルのいない最高の時間よ...!!
私はエネル殺害計画を立て始めた。
エネルの部屋にある引き出しや扉やらをあるだけ開けて周り、刃物のある場所を確認。
タガーくらいのサイズの刃物を見つけこれが丁度いいと思った。
私はそれをベッドの下に隠しておく。
...案外、早く終わっちゃった...
私はもっと殺傷能力の高い方法がないか考える。
やっぱり刃物で一つきの方がいいわよね...。
もっと貫けるサイズも欲しいなぁ〜...
私はベッドに横になり考えた。エネルの弱点って何なんだろう...
エネルのことを考えれば考える程殺したくはなるが、最近見たエネルの私にとって初めての姿が浮かぶ。
意外と一途な所とか...私を落とそうと頑張っているところとか...
私を抱いている最中に見せる気持ちよさに善がる顔とか...
って私、何考えてるのよ!!
エネルとの最中のことを思い出し、下半身に違和感を感じてしまう。
私ほんと馬鹿...エネルによく馬鹿っていうけど...私の方こそ...っ。
復讐したい相手なのに...こんな少しの出来事で...。
「...私はビルカを滅ぼしたエネルを殺すのよ...だから復活したんでしょ...」
ベッドに両手を広げると私を覆っていたエネルの毛皮の羽織り物がはだける。
はぁ...大変よ。やることはエネルを倒すことしかないし...
なんだろうこの心の空白感...
エネルがいないと...
「キルラ!!」
「きゃあっ!!!」
突然エネルが帰ってきて、私は急いで羽織物を直す。
「随分と大胆な格好をしていたな」
「うるさい...//」
見られていたか。あぁ、なんて姿を...私が毛皮に顔を埋めていると、エネルは私の名前を呼び、丁寧に畳まれた服を差し出した。
「え...?私の...?」
「キルラのではなかったら誰のだと言うんだ」
私は受け取って広げると最初に着ていた物と似ている服だった。
エネルが私に...なんだろうこの胸のざわざわ。
「ありがとう...でも何で?」
「キルラが欲しがっていたからだ」
「破られたからよ!!...でも、嬉しい...」
私がそういうとエネルは満足そうにしていた。
すぐに着替えると、サイズもぴったりで驚いた。
「これ、どこで?」
「そこら辺だ」
「そ、そう...」
また、エネルの新しい顔が心の中に入る。用事だと言ったがまさか私に服をプレゼントしてくれるなんて思わなかったから...
...エネル、あんたは私に復讐されるのよ?どうしてここまで...
エネルのちょっとした優しさに触れ、なんとも言えない胸のざわざわが私の心を締め付けた。