神をも狂わすもの
□4. 神には神が相応しい
2ページ/2ページ
エネルは話を続けたが突然滅多に見られないような悲しげな表情になった。
「そのせいでお前がどれだけ俺を嫌っているかもわかったのだ」
どうして、そんなに悲しそうな顔をするの...?
悲しいのはこっちよ...あんたに何もかも壊されて...
「だが、キルラ、お前が復活したことによって俺は気がついた」
私は黙ってエネルの話を聞いていた。
どうせエネルは私の心の中を読めるのだから...
「神の俺には相応しいのは神だ!!...俺にはキルラが必要なのだ...ヤハハハハ!!!」
「何を言っているの!!」
私はエネルの言うことがわからず、困ってしまう。
神であるエネルが、何故神である私が必要なのか...
相応しい...とは...?
「何を言っているのかわからないようだなキルラ」
「全くわからないわよ」
私が冷たく返すと、エネルは私に触れるだけのキスをした。
「いちいち何なのよっ!!!///」
「俺の女になるのだキルラ!!!!」
...私は固まった。どうして...何でいきなりそうなる!!
私が...私がエネルの女になるなんてそんなこと...!!
「嫌よ!!」
「俺は確信したのだ!!キルラ、お前は俺にとって必要な神であることを!!昔から俺とお前は何かと関わりがあったな、俺はお前をずっと想っていた...知らなかっただろう?」
私は衝撃的な事実を知り驚いて声も出なかった。
エネルが私をずっと好いていた...?!どうして私を...
「聞いたことがあるのだ...月がある限り月の神は死んでも復活すると...俺は試したのだ...お前はあの時俺がビルカと共に殺した。そして復活するのかしないのか待ったのだ。復活した時には俺の女にするためにな...復活したとしてお前は真っ先に俺のところに来るのをわかっていた」
エネルは私の頬を撫でて微笑んだ。
「素晴らしいことだ...お前は見事に復活した...俺の見込んだ女だ。俺を好きになれキルラ」
「ふざけるな!!私はあんたなんか絶対好きにならないんだから!!」
「なる...お前は怨みから俺の事しか考えられなくなっただろう?それがいずれ...」
私はエネルの言葉にハッとした。確かに私最近エネルのことばかり考えていた。だけどそれはエネルもわかっているように怨みからであり、それ以上の感情は何も...
エネルが私を好きだということはわかったが...それが本当に本心なのか信じることはできなかった。