ネタ帳

□何これ
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「コナンくん見事に振り回されてるね」

「そんなつもりは少ししかありません。と守屋は待望のパンケーキを前に我慢しながら弁明します」

「召し上がれ」

「ツッコミどころ満載なんだよこの人……じゃなくてお姉さん!」


今更の演技である。そして意味も大して変わっていない。


「……返事がない。ただの腹ぺこのようだ。と守屋は華麗にスルーします」

「聞けー!」


コナンの喉は大丈夫だろうか。
拳を握り噴き出さないように耐える安室を睨むようにコナンは見る。
当事者である女性は「八つ当たりはダメですよ、と守屋は心の中で注意します」と呟いていた。口に出せばコナンが「誰のせいだと思ってんだ!」とツッコむから懸命ではあると言えるが。


「安室さん、このお姉さんと仲良いの?」

「どうしてそう思うんだい?」

「だってこのお姉さんにドン引きしてないし」

「……最早隠す事もなくなった守屋への言われのない罵倒に守屋は悲しげに口を動かします……いつもながら結構なお点前で、と守屋は感謝の意を述べます」

「ありがとうございます。守屋さんはね、月に何度かふらっと現れてスイーツを注文する、変わったお客様だよ」

「その変わったって言葉はお客様、についてだよね」

「もちろんだよ」

「……分かりあっている二人に守屋はひっそりと反撃を考えております」


もしや警察関連の人物が、と疑念がわくもその前に反撃という物騒な言葉。若干半目だがそれが不機嫌のためなのか何か企んでいるからなのか、分からない。


「あなたの名前は江戸川コナン。シャーロキアンかつサッカー少年かつ好奇心旺盛。上の階に住んでいて毛利さんのひとりむすめの蘭ねーちゃんに恋をしている。と守屋はズビシと少年を指さしながら情報を述べます」


当たってはいる。当たっているのだが。それは絶対に。


「……安室さんに全部聞いたんでしょ」

「?!何故分かったのですか!と守屋は驚愕を顕にします」


予想通り全く表情筋がシェスタしてる女性にため息を着きながら、リーク元を睨む。目付きが悪くなってしまわないだろうか。


「……安室さん、僕の事ペラペラ喋らないでくれる?」

「ははは。驚く君の顔が見たかったんだけどな……ああでも……」

「……な、なに……」


ニヤリ、と面白そうに口元を釣り上げる安室にたじろぐコナン。そんな表情安室はしないだろう。そんな猫がネズミをいたぶってるようなSっ気溢れる笑みは好青年は浮かべない。
食後のアイスティーを味わいながら隣の女性から一言告げられる。


「恋をしている、という点についても否定はしないのですね。と守屋は恋する少年を微笑ましそうに見つめます」

「なっ……?!」

「当たり前過ぎて否定しなかったのかな?」

「ち、違……っ」

「本当に、守屋たちの前で言えますか?と守屋は面白半分に少年を追い詰めます」

「可哀想ですよ。ね、コナンくん?」

「〜っ僕!帰るね!」


結局持ってきた本は1ページも読めず、スケボーを持って真っ赤な顔でコナンは出て行った。そんな後ろ姿を面白そうに見ていた安室。そんな安室に構わず食事を堪能して満足した女性。


「とても楽しそうですね。と守屋はいじめっ子な安室さんをちらりと見ながら呟きます」

「いじめっ子だなんて失礼な……時々痛い目を食らってますから少し仕返しが出来ました」

「何があったか知っている守屋は懸命にも口をつぐみ、コーヒーチケットとお代をそっとカウンターの上に置きました」


ほんの少し安室のコナンへの態度に引きながら女性はカウンターに手を伸ばす。
安室はそれを手に取らず、女性を見て小さく尋ねる。


「……監視の目や耳は?」

「守屋のわかる限りでは見当たらない。と守屋は秘蔵の能力を行使しながら答えます」


安室には見えないが守屋の後ろには複数の人影、あるいは一種のビジョンのようなものが浮かんでいる。
守屋の言葉に顔は安室、口調は降谷という器用な真似をしながら安室は口を開く。
女性は内心「違和感ありまくりですね。と守屋は上司の変わり身の早さと違和感の強さに尊敬します」とそっと呟く。


「その秘密の能力、とやらのタネはいつ教えてくれるんだ?」

「秘密の能力は秘密だからこそ意味があるのです。と守屋は当然だと言わんばかりのドヤ顔をして零さんの顔を見ます」

「はあ……で、アイツらは?」

「……全員多忙ながら元気にやっています。と守屋はそっと目を逸らしながら答えます」

「はあ……アイツらはいつになったら落ち着くんだ……!」

「今度守屋の家で宅飲みしようと皆さんが仰っていました。と守屋は追加情報を口にします」



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