ネタ帳
□さくらちゃん成り代わり主INFate時空
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今日も私は決められた時刻に就寝した。
毎日のルーティンワーク。
ただいつもと異なったのは、夢の中で私が目覚めたということ。
夢の中で目覚める、なんとも奇妙なことだ。論理的に矛盾している。しかし事実だ。
暗闇が何となく嫌で、ぼんやりと光っている方向に無意識に足を進めていた。
あれは…VRで見たことがある。確か、桜の木だ。春になると咲き誇る、華やかで儚い存在。
はらはらと白い花びらが舞い落ちる先に、人がいた。
悲しげに桜を見あげるその横顔は、何かを悼んでいるよう。
ふわりと花びらが私の方へと降り注ぐ。
その人はたった今私に気づいたように、そして今までの儚さが嘘のような、陽気さで私に声をかけてくれた。
「ありゃ?あろは〜最近はこんな夢ばっかり見るなあ」
こんな時、なんと返せば良いのだろう。あまり人と接触のない自分は口ごもってしまった。
そんなことは気にしないとばかりにその人は私に歩み寄る。
「私、さくらだよ〜。良ければあなたのお名前も教えて?」
「マ、マシュ、です。マシュ・キリエライト、です」
「マシュちゃんだね。うん可愛い」
「あ、ありがとうござい、ます」
褒められたことが照れくさくて、サクラ…さんから顔を逸らし、目に映るのは桜。
初めて見るそれに圧倒される。
何だか吸い込まれてしまいそうだ。
「サクラ…さん。ここは何処なんでしょう?」
「ん?夢の中だよ」
「夢、ですか?」
「私は時々予知夢とか見たりするの。あと違う世界の人と夢の中でお話したりとかかな。これもきっとそうだよ」
「サクラさんは魔術師なんですか?」
「一応ね。って言っても多分マシュちゃんの言う魔術師さんとは違うと思う」
サクラさんが仰るには以前にも違う世界の誰かと会い、その世界へ行ったそうだ。
その時に魔術師にも会って聖杯戦争にも巻き込まれたらしい。
サラッと言うけど世界を渡るのも聖杯戦争を生き残るのも並大抵のことではないと思う。
「私がすごいんじゃなくて、私の知ってる人がすごいんだよ。私はカードさんがいないとただのちょっぴり不思議な子…ちょっぴりね!」
「何故2回も言うのですか?」
「大切なことだからね!」
何故胸を張るのだろう。
…少し、羨ましいと思った。外の世界を知っているサクラさんが。
後に私はこの思いを悔いることになる。
魔術の基本は等価交換だと知っていたのに。
「…あ…」
「そろそろお目覚めかな?」
私の身体が足元から消えていく。
「暇だったらまた遊びに来てくれると良いな〜バイバーイ」
笑顔で手を振り見送ってくれたサクラさん。…また会えるだろうか。
「…」
『おはようマシュ。今日も時間ぴったりに起床だね』
「…おはようございます、ドクター」
また一日が始まる。決められた不変のルーティンワーク。
でもいつもと違ったのは。
「…花びら」
手のひらに白い花びらがあったこと。
「あ!マシュちゃんマシュちゃん。驚きのニュースがあるんだよ!」
「驚き、ですか?」
あれから私は時々サクラさんの元に訪れることが出来るようになった。ただし夢の中だけだけど。
サクラさんとお話するのは新しい発見やワクワクするような…多分「楽しい」気持ち、なんだろう。
サクラさんは楽しいことや人を驚かすことが好きらしく、私が来る度に魔術を使って出迎えてくれる。
そんなことに貴重な魔術具を使わないでください。
「あのね、〜〜〜?あれ?」
「?」
「えっと〜ん?〜〜ええ?」
驚きニュースとやらを話しているつもりなのだろう。だが口は動いていても声が出ていない。
首を傾げていることからどうやらわざとでは無いらしい。すみません。最初悪ふざけかと思っていました。
「んもう!このニュースをマシュちゃんと分かち合いたかったのに!」
まだ諦めずに筆談しようとするもこちらも無理らしい。
それにしても…私と分かち合いたかった、か。
楽しいことも嬉しいこともサクラさんは私に分け与えてくれる。それが嬉しくて暖かくて、もどかしい。
私には楽しいことも嬉しいことも無い。
いっそサクラさんが私の世界に来てくれたらどうだろう。
想像して心が暖かくなった。でもすぐに諦めた。
もうすぐ聖杯探索が始まる。
サクラさんは以前聖杯戦争に巻き込まれたと言っていた。
嬉しいことは言ってくれるけど悲しいことは言ってくれない人だから。
きっとその戦争でも辛いことがあったのだろう。
巻き込んではいけない。
「…サクラさん」
「ん?なあに?」
「手を…握ってくれませんか?」
でも少しだけ、勇気を分け与えてください。
ぴぴぴ…
爽やかな朝、心地よい風、暖かな日差し。
「…誠に遺憾である」
なのに私はむっすりだ。むっつりじゃないよ。
マシュちゃんに夢の中で会ったもう一人の人…人?を教えてあげたかったのに!
何か1面お花畑の中にぽつんと塔が立っていて、そこから出られないラプンツェルみたいなお兄さんだよ!
なんだっけ。何を話したんだっけ?
何かお願いがあるとか君なら物語を面白い方向に持って行けるとか云々言っていた気がするんだけど…
ん?お兄さんの胡散臭い笑顔も忘れかけていく…あれ?これって
ボケ?
老化?
やだやだ!みんなのこと忘れたくないよ!
下に降りて2人を抱き締めよう!そう思った。でも
キーン…
「え?」
え…あ、マシュちゃんだ。
女の子と男の人と何かお話して去っていくマシュちゃん。
そのあと女の子は違う男の人と話していて…
画面が突然揺れた。
部屋の外は真っ暗で非常灯が作動している。女の子がマシュちゃんの方に向かって…
「マシュちゃん!」
瓦礫の下敷きになったマシュちゃん。
閉じ込められた女の子。
なのに女の子はマシュちゃんを安心させるように手を握って…
«君の…君たちの旅路に幸多からんことをー »
「ん?」
わあ。あいきゃんふらーい。紐なしバンジーだー。あはは。……なんでさ。
にしてもここ…戦地だったのかな?
建物はほとんど壊れてるし、火の手も上がってる。ついでに下にはガイコツがいる………このままクッションにしていいかなあ。一応声はかけとこ。
「おーい危ないよー」
「キキ…キェッ?!」
ドタン!
「な?!」
「え?!」
「んもーだから危ないって言ったのにぃ〜よっこいせ」
「サ、サクラさん?!」
「んん?あーマシュちゃん!無事だったん…」
…なにそのスーツは!そんなピチピチした服お母さん認めませんよ!
『な…?!と、突然反応が現れた?!なんだい?!親方、空から女の子が…!ってシチュエーションかい?』
「…!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?!あなたこっちに…」
あれ今どこから声が出てきたの?
というか女の子、あの時の子だね。
「キシャー!」
「ちょっと黙っててくれる?私はマシュちゃんのあのけしからん格好にツッコミをいれなきゃだから」
「え?あのこ、これは…」
マシュちゃん?それはだれの趣味なのかな?まさか自分の趣味じゃないよね?
いやスタイルいいから似合ってるけどね?
「そ、それよりも危険です!私の後ろに下がってください!」
『危ない!』
うん?何かガイコツさんが斬りかかってきました。
「もー今お話中なんだから空気読んでよー…『火』」
杖は無くてもカードさんの力は使えるし、そばには居れるからね。
私の呼びかけに応えて火のカードさんは猛火をガイコツさん達に降り注ぐ。その威力は…文字通り骨すら残らない。
「ありがと〜」
「すごい…」
カードをしまって改めて自己紹介。うん初めが肝心だよね。
『ちょ、待ってくれ!君は魔術師…いやサーヴァントか?魔力の値がとんでもないことになってる!』
出鼻くじかれた〜。サーヴァントって英霊。英霊ってことは幽霊。
「怖いのやだから魔術師でお願いします!」
「そんな理由で?!」
「でもサクラさんは亡くなっていませんよね?」
「うん。覚えてる限りは」
あれかな?縁側で眠るように息を引き取った、だったら気づかないかもだけど。幽体離脱〜。
多分…お兄さんが何かやったのかな?愉快犯っぽいもんね。
「とりあえずマシュちゃんが心配で来ちゃった☆さくらって呼んでね」
ここから始まるさくらちゃん成り代わり主INFGOです。
冬木はともかくオルレアンにてジャンヌオルタとジャンヌに会った時
「ちょ、なんか黒いし顔色悪いけどジャンヌちゃんだよね?なにお腹すいてるから?」
「な、なんなのよアンタ?!」
「ジャンヌオルタちゃんって長いからオルタちゃんで良いよね」
「竜の魔女だって言ってるでしょ?!」
「あ、今度こそ前会ったジャンヌちゃんだ!こんなとこで何してるの!さっさと!ジークくんに会いに行きなよ!」
「い、いえ…そのっ本体が今行って…」
さくらちゃん成り代わり主は魔術師兼サーヴァントなんだろうか。
何故カルデアにも一緒に戻れて、立香ちゃんと一緒に魔術の勉強したり、模擬戦でマシュと相手したり、イタズラしたりイタズラしたり。