お試し〜コナンキャラ×木之本桜ちゃん

□降谷零さんと降谷さくらちゃん
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ジュー…ジュー…

コトコト…

あう…?何かいい香り…お腹がなっちゃいそう…
って違う!
必死に暖かいお布団への誘惑を振り払い、上着を着ながら急いでキッチンへ向かう。

ダダダッ

か、怪獣って言われても良いもん!そんなこと絶対言わない人だもん!

バタン!
「零くん!」

「ああおはよう、さくら」

へにゃりと笑う零くんに釣られて、挨拶を返しちゃいそうだけどダメ!

「おはよう!でも何してるの!」

「何って…朝ごはんの用意だけど…あ、もう10時だし、ブランチかな?」

「ええ?!もうそんな時間?!」

電波時計は嘘をつかないもんね。
10:03。悪いのは私でした…

「はうぅ〜」

「さくら?!どこか気分でも悪いのか?」

お鍋を掻き回していた零くんは慌ててその場にうずくまった私に駆け寄ってきてくれた。優しい…でも…

「ごめんね…私が早起きして、零くんにご飯作りたかったのに…」

「なんだそんなことか。俺の方が先に起きたんだから気にすることなんて無いさ」

「ううん…いっぱいお仕事して、疲れてる零くんにちょっとでもお休みしてて欲しかったの。なのに…」

「さくらはレポートで忙しかったんだろう?それに料理をするのはいい気分転換になるから」

「零くん……?!」
チュッ

???…な、な、な?!

「何するの?!」

「ごめんごめん。しゅんとしたさくらが可愛くて」

「か、可愛くないよ!零くんの方がずっと可愛いんだから!」

それでもってかっこいいよ!苦笑いするそのお顔も可愛いよ!

チーン!

「あ、パンも焼けた」

「わーん!せ、せめて何かお手伝いするよ!なんでも言って!」

「…なんでも?」

「え、エッチなのはダメだからね?!」

今目がキラーンてした!絶対何かするつもりだったでしょ!
とりあえず一緒に早くご飯を食べるためにお皿出したりコーヒーいれたりお手伝いしたよ。

……零くん、本当に私で良かったのかなあ?
私は…その、零くんのこと、大好きだよ。とってもとっても大好きだよ。私の一番はずっと零くんなんだよ。
でも…零くんはとっても大人で、私はまだまだ子供っぽくて…
零くん、嫌じゃないかなあ?



何か悩んでるな。
コーヒーを口に運びながらさくらの様子を伺えばいかにも「しゅん…」とした様子。
正直小動物みたいで可愛い。頭撫でたい。

多分さっきのことを引きずっているんだろうな。

「さくら」

「なあに?」

「お願いがあるんだけど、いいかな?」

「!うんうん!私に出来ることなら!」

今度は尻尾をちぎれんばかりに降る子犬…の幻覚が見える。僕の妻本当に可愛い。

「今日は買い物でも行かないか?」

「零くん何かいるの?だったら私が買ってくるよ?」

「いや。さくらに何か買ってあげたくて」

「ほえ?」

「ストレス発散にさくらを思いっきり着飾りたい。可愛い洋服とかいっぱい買って可愛いさくらをたくさん写真に撮りたい」

そしてそれを糧にこれからの徹夜の日々やらさくらとの別離の日々を耐えたい。
俺のスマホのさくらフォルダはゆうに1000を超えている。

「え?うーん…お洋服足りてるし、折角零くんが働いたお金なんだから自分のために使わなきゃ!」

「自分のためだよ!」

まごうことなく自分の欲のためである。だからさくらは何も気にすることなくニコニコ笑ってくれ。それが俺の癒しなんだ。
力説する俺に驚いたみたいだが、やはり困ったように笑っている。
なんだ…まだ他にも理由があるのか?どう言いくるめようか…

「あ、あのね、私もお願い事、しちゃ、だめ、かな?」

「もちろんなんでも言ってくれ」

そんな上目遣いで愛する妻に頼まれて断れる男がいるだろうか。そんなやつ野郎じゃないな。

「あ、あのね…その…」

「ああ…」

頬を赤くしてモジモジしてるさくら本当に可愛い。ああテーブルがなかったら抱きしめているのに。いやスープとかあるから出来ないけど。

「今日は…ずっと、お部屋で過ごすの…ダメかなあ?」

「?さくらに行きたいところはないのか?」

元の世界とかだったらどんな手を使っても阻止するが。

「あるよ。零くんと一緒にみれたら素敵だなってところ、いっぱい…でも…その…」

ごめん。今のボイスレコーダーに取りたかった。

「でも?」

「ひ、久しぶりに見る、零くん…何か、とってもかっこよくて…みんなに見られたくないな…って…わ、ワガママだよね、ごめんなさい!」

くそっ…何故俺は今の動画を撮影してなかったんだ!
久しぶりに見る俺がかっこよくて独り占めしたいって?!そんな…そんなの…

「いいに決まっているだろう?なら今日は家で2人で過ごそうか」

「!いい…の?本当に本当にいいの?」

「さくらの笑顔が見れるんなら何でもいいよ」

「ありがとう!じゃあ、じゃあお片付けは任せて!」

「いや、一緒にやろう。そうすれば早く終わる」

「…休まなくて大丈夫?」

むしろこれからさくらに負担を強いるからさくらが休まなくて大丈夫か?
俺は2人で過ごすことには了承したが、ゆっくりとは言っていない。
久しぶりに愛する妻を堪能しても、構わないだろう?
その後?最高の休日だった、とだけ言っておこうか。


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