ネタ帳

□さくらちゃん成り代わり主INジョジョ
2ページ/3ページ



「サクラ」

「なにーお母さん」

私がやって来たのはなんと!イギリスでしたー。
エリオルくんといい、何か縁があるのかな。
そこで倒れていた私を女神のようなお母さんが拾ってくれたの。生活苦しいのにごめんね。早く大きくなってお母さんを楽させてあげたい。

「サクラに弟か妹が出来るのよ」

ガーン!

いや嬉しいよ?
さくらには弟も妹も居なかったから踊りたいくらい嬉しいし、微笑むお母さんは聖母さんだよ?
でも…でもね…
私はそっとお母さんの元から離れ、お酒を飲んでいるお父さんに近付いた。
まったく!昼間っから働きもせずマダオめ!

「よくもお母さんを穢したなあ!」

「どういう意味だ!」

「しらばっくれないでよ!子どもが出来たって事はアレしてコレしたんでしょ!」

「お前本当に3歳か?!何でそんな事知ってんだよ!」

3歳児を舐めないでもらおう!
まあ本体の記憶っていうか知識だけど。
お父さんと口論しているのを苦笑しながら見ているお母さん。

お父さんは私に手を上げるが私も負けない。っていうか100倍にして返してやんよ!
前に金的繰り出したことを覚えているのか今回は口喧嘩だけだったけど。

ん?藤隆お父さん?
あー、確かに今のお父さんと比べちゃいけないくらい出来た人だったよね。
でも今のお父さんだって砂漠に米粒発見するくらい難しいけど情はあると思うんだ。だって一度も出てけって言われてないし。

そんなこんなしてる時、馬車事故の現場に出くわしました。
火事場泥棒しようとするお父さんを殴って救助に行くと男の人は息はあったけど女の人は…
ん?女の人の腕の中で何かがもぞもぞしてる?

赤ちゃんの泣き声だ…
この女の人は、自分よりも自分の子どもを守ったんだ…何だか涙が込み上げてきそう…
なのに大嘘つくんじゃないお父さん!

「君が真っ先に駆けつけてくれたね。どうか名前を聞かせてくれないかい?」

「…サクラ·ブランドー」

イニシャルはS.B。何となく調味料が浮かびそうです。


「ねえさーん」

「ディオー!」

ああ今日も可愛い!私の天使のような弟!お父さんに似なくて本当良かった!

「何か言ったかてめえ」

「幻聴じゃない?あー歳とるって残念ー」

「コノヤロウ」

残念!私は野郎じゃありませーん。
可愛い女の子でっす!…中身は残念とか言わない!

オロオロ不安げなディオの手を引き部屋へ戻る。
本当はお母さんの負担を軽くするために私も働き続けたかった。
妊娠してるのに働こうとするお母さんと何度も揉めたよ。結局出産ギリギリまで働き続けて直ぐにまた働きに出ちゃったけどさ。
私も!って挙手したけど

「サクラが居ないとディオの面倒わー見てくれる人が居ないから困るわ」

って。
でも内職はしてるよ。
っていうか働けお父さん!泣いてるディオを怒鳴りつけてるシーンを見た時には、そりゃお母さんに戦力外通告されるわって納得したけど。

「ねえさん。僕もかあさんとねえさんの手伝いがしたい」

「いい子…!」

私より小さな身体を抱き締める。良いんだよ!君はまだ遊んでいて!

「ディオは本当にいい子だねえ。じゃあお姉ちゃんのお話し相手になって?」

「…そんなことでいいの?」

「ん〜?ディオとお話してるとお姉ちゃんのやる気と気力が回復しまーす。あと萌えポイントも」

「萌え…?」

おっと本音が。
ちょっと不満そうだけど話し相手になってくれるディオ。

「ディオったら、ねえさんねえさんって。お母さんの役をサクラに取られちゃった気分だわ」

ふむ…私がディオのお母さん代わりかあ…
よし、残念って言われたり、変って思われないように気を付けよう。

「ねえさんって変わってるよね」

おっと早速言われたよ?
何故だ…残念なところは…あんまり見せてない…つもりなんだけどなあ?

「その心は」

「あの男に平気で逆らったり大人相手にもやり返すから」

「こら。お父さんでしょ」

そんな可愛いお顔を歪ませながら言うんじゃありません。
デコピンの刑だー。

うーん。そりゃディオにとっては好ましい人達じゃないもんね。
私は心は大人だからある程度は寛大だよ。
でもお母さんやディオを貶されたら倍返しだ!
べ、別に不幸の手紙書いたりなんてしてないんだからね!
うん。我慢出来るだけ大人になったよね。
あ、今たくさんのツッコミが聞こえた気がする。

『何処がだ』

って。

「よっしゃでーきた!はいディオ」

「え…?」

私が作っていたのはマフラー…って言っても私の小さくなったマフラー解いたのと安い毛糸混ぜ合わせて作ったからあんまり嬉しくないだろうけど。

「もうすぐ寒くなるからねー。ちょっと?いや大分か、見栄えは悪いけどなんにもないよりかは暖かいよ」

一晩でテディベアを作った私だからね。手芸はちょっとだけ自信があるんだよ。

「驚いた?驚いた?」

「…うん」

「やった!」

「でも…ねえさんのマフラーが…」

「寒い時はディオかお母さんにくっ付くからいいの〜」

良きかな良きかな。やっぱり驚きは大事だね。
そして私の心配してくれる弟の優しさプライスレス。お金で買えない価値がある。
でも実際問題お金は欲しい。
ディオはとぉっても頭が良いんだから学校行かせてあげたい。
いや姉の欲目を引いてだよ?
腹たったからお父さんに足かっくんしといた。そのあと怒られた。


·ディオ目線


母さんが死んだ。
いつかは…こうなると分かっていた。
母さんは身を削るように働いて、俺たちを育ててくれた。

何故だ。
何故母さんが死ななければならない?
何故あの男はのうのうと生きている?

何故肥え太った、ただの金持ちの家に生まれただけの豚どもが幸せに生きて、
最期まで清く生きた母さんが何一つ報われないままで逝かねばならない?

母さんが亡くなって、今度は姉さんが代わりに働きに出るようになった。

「ディオは私と違って頭良いんだから、働く暇があったら勉強しなさーい!」

そう言って自分は朝から晩まで働いて。
昔はずっとそばに居て抱きしめてくれた姉さんが居ない。俺にはもう姉さんしかいないんだ。
あんな男、父親とも家族だとも思いたくない。このままでは姉さんまで母さんと同じ目にあってしまう。

「ディオ…サクラは、少し頑張り過ぎるところがあるから、そんな時は出来るだけ、支えてあげてね…」

ああ分かっている。安心してくれ母さん。
姉さんは俺が守る。

だから

そのためにも

アイツは殺す。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ