劇場版&番外編
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「お疲れ様でした」
「お疲れー」
仕事が終わり、みんなが退社の準備をする。
私も片付けていたら携帯が光っていることに気づいた。
…コナン君から?
「◯◯ー」
「はい先輩!」
「この後ヒマか?新人ちゃんのプチ歓迎会しようと思ってさ」
「いいですね!行きます!」
「わぁ嬉しい!ありがとうございます!」
「あ、でも友達に電話してきていいですか?」
「おう。その間に何人か声かけとくよ」
「ありがとうございます」
先輩たちから少し離れて、コナン君に電話をかけた。
『◇◇さん?』
「コナン君、連絡くれてたけどどうかしたの?」
『あぁ。実は今日ーー』
話の内容は、今日ベルツリータワーで起きたという狙撃事件についてだった。
FBIが助けてくれたことによってみんな怪我もないらしい。
またコナン君も真純ちゃんも無茶ばっかりして…。
『まだ犯人は捕まってないんだ。気をつけろよ』
「ありがとう。コナン君こそ気をつけてね」
『…わぁーってるよ』
本当かなぁこの子は…。
と思っていたらキャッチホンが入った。
「ごめんコナン君、キャッチ入っちゃった」
『あぁ。じゃあまたな』
スマホのボタンを押し、キャッチホンを受ける。
『◇◇さん』
「あ、安室さん…!」
『どうかしたんですか?驚いたりして』
「ちょうどコナン君と電話終わったところで名前も見ずに電話に出ちゃったので」
『そうでしたか。ということは今日のことは?』
「はい、事件のことは聞きました」
『まだ犯人は捕まっていませんから充分気をつけて下さいね』
「ありがとうございます。安室さんもですよ?」
『はい。ところで今日はもう仕事終わりましたか?』
「あ、仕事は終わったんですけど新人歓迎会でこれから食事に」
『遅くなるのは心配ですね。終わったら連絡してください。迎えに行きます』
「え!?…忙しいのにいいんですか?」
『僕が心配なんです。今回の事件は刑事部の担当ですし大丈夫ですよ』
FBIと合同捜査らしいですけどね。
電話越しに隠さない不満の声音が聞こえてきて、彼に気づかれないようにクスっと笑った。
こうして"安室さん"から彼の素顔が出てくると、なんとなく嬉しい。
終わる時間が分かったら連絡すると伝え、電話を切る。
「あ、◯◯さん電話終わりました?」
「うん。待たせてごめんね」
「とんでもないです!さ、先輩方のとこ行きましょう!」
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