劇場版&番外編
□伍
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安室さんが用意してくれた爆弾によってカプセルの軌道が変わった。
ホッと息をついたのも束の間。
軌道が変わった先は、蘭と◇◇さんから連絡が入っていた東京湾の埋立地。
「どうする!?時間がないぞ」
「安室さん。今度はボクの協力者になってもらうよ」
安室さんの車でエッジオブオーシャンへ向かう。
「この先は渋滞だよ」
「くっ…避難誘導が上手くいってないのか」
渋滞の車を避けつつ、モノレールの線路に乗り上げた。
電話と繋げてあるカーナビから風見刑事の声が聞こえる。
『降谷さん!カプセルのパラシュートが外れて加速しています』
「それで!?」
『NAZUから予測落下地点が出ました!このままじゃあと5分でカジノタワーに落下します!』
「蘭…!◇◇さん…!」
「◇◇さん達はカジノタワーに居るのか!?」
「うん。でも連絡がつかないんだ!」
「チッ…!」
その時、目の前から強い光が向かってきた。
モノレールじゃねえか!
「安室さん!」
「しっかり掴まってるんだ!」
「安室さんどうするの!?」
「クッ…!」
運転する安室さんの表情に思わず体が固まった。
なんて顔すんだよ…。
ぶつかる…!!
「!?」
「ここだッ!」
モノレールを避けて衝突を回避した。
死ぬかと思ったぜ…
にしてもすげぇな。
「で、どうする!?」
「ぁ…待って。この建築中のビルに向かって!」
「よし!」
安室さんは車を自分の手足のように動かして、オレが指定したビルに到着した。
車用のエレベーターに乗り込み、一度エンジンを落とす。
「間に合うのか?」
「このビルの高さとカジノタワーまでの距離を考えると、あと1分後にここから加速出来れば」
一か八か
頼む、間に合ってくれ…蘭!
祈るようにスマホを見ていると、横からの視線が気になった。
「な、なに?」
「愛の力は偉大だな」
「エ…」
何言ってんだこの人…。
呆れた顔をしてたら丁度エレベーターが停止した。
エンジンをかけて外に出る。
「前から聞きたかったんだけど、安室さんって彼女居るの?」
「ん?」
まぁ最近はどう見ても◇◇さんに気があるのは分かってんだけどな。
でも彼女居ないとは聞いてねーし。
安室さんを横目で見てたら、フッと笑った。
「僕の恋人は…この国さ」
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