劇場版&番外編

□弐
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阿笠邸から再び妃法律事務所へ戻ると、扉の前に見慣れない女性が立っていた。



「ですから、私"橘境子"に眠りの小五郎を弁護させてください」



中へ入って話を聞くと、弁護士を探しているという噂を聞いてここへ来たそうだ。

これまで請け負った仕事は公安事件が多いというけれど…



「それでお姉さんの裁判の勝敗は?」

「ボク難しい言葉知ってるのね。全部負けてるの」

「…へ?」

「…え?」

「…は?」



コナン君、私、蘭ちゃんの順に各々反応を見せる。

英理先生によると公安事件は難しいんだそうだ。



「ダメだよお母さん!あの弁護士全然勝つ気ない」

「確かにねぇ。でも見るからにダメ弁護士だしね」

「あの…部外者が口出しして申し訳ないんですがやっぱり国選弁護人に頼んだ方が」

「それだと私が出しゃばれない」

「「え…」」

「でもあの人なら、私が口を出せる」



あと部外者なんて二度と言うんじゃありません。

そう言って英理先生に頬っぺたを抓られてしまった。

こんな大変な時に不謹慎だけど嬉しく思う。



すると、白鳥警部が状況を伝えるためにまた足を運んでくれた。



「今回の爆破事件、地検公安部の日下部検事が担当することになりました」

「あら大変」

「公安事件の弁護をすることが少ない私でも名前は知ってる」

「そんなに凄い検事さんなの?」

「妃先生と同じで、負け知らずの敏腕検事」



それはまた…やっぱり世の中って上手くいかない。



「あ、ボクこの事件知ってるよ。NAZU不正アクセス事件」



境子先生が持ってきた資料の一つを見てコナン君が声をあげた。



「NAZUってアメリカで宇宙開発してるあの有名な?」

「そういえば今度地球に帰ってくる白鳥も確かNAZUが…」

「あぁ。ゲーム会社の社員が遊びでアクセスしたって事件」



その時の担当検事も日下部さんという方だったらしい。

境子先生曰く、もちろん負けたそうだ。

先行きが不安…。





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