劇場版&番外編
□弐
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4月29日
毛利さんが逮捕された翌日に当たる。
東京サミット開催まであと二日。
私は蘭ちゃんとコナン君と一緒に妃法律事務所を訪ねた。
残念ながら英理先生が毛利さんの弁護をするわけにはいかないらしい。
世の中そう上手くはいかないよね…。
知り合いの弁護士を当たってくれてるものの、いい返事は貰えてないらしい。
ノックの音が聞こえる。
「どうぞ」
「失礼します」
「白鳥警部!」
「ニュースになる前にお伝えすべきかと思いまして」
「何か?」
「毛利さんが…送検されます」
「そんな!?」
送検するには充分な証拠が揃っている。
蘭ちゃんが昨日からずっと泣いていてコナン君も辛いだろう。
「英理先生、蘭ちゃんを…お願いします」
「◇◇ちゃん何処へ?」
「少し出てきます。もしかしたら新一君が阿笠博士に何か協力を仰いでいるかもしれないから」
「◇◇さんボクも行く!」
蘭ちゃんの頭を撫でて、しばらくお母さんの傍に居てねと声をかける。
博士から何か聞けたらきちんと報告するから。
コナン君と一緒に阿笠邸へと向かう。
途中、タイミング良く爆発物が見つかったという連絡が入った。
「博士!見つかったって!?」
「おぉ来たか」
「博士、哀ちゃん、ありがとう!」
ドローンで撮影した画像を分析してくれている哀ちゃん。
確かに爆弾に見えるかも…。
「あったわよ。合致するものが」
「なんだ?」
「詳細出すわね」
出てきた画像は、爆弾ではなかった。
IOT圧力ポット…?
「何だよ!爆弾じゃなかったのかよ!」
「こら!」
「あっ…」
「コナン君、気持ちは分かるけど調べてくれた2人にその態度は…」
「…悪かった」
「どうしたの?何かあった?」
「…毛利さんが送検されたの」
「「え!?」」
2人はとても心配してくれた。
出来ることがあればいつでも協力すると言ってくれる。
本当に優しいな…。
蘭ちゃんが気がかりだけど、コナン君が今回のように冷静さを欠かないように気をつけて見ておかないと。
彼女の危機に、彼はいつも必死だった。
ーーあれ?
そこまで考えて一つの可能性が浮かび上がる。
コナン君には一目置いてる"彼"のことだ。
まさか安室さん、偽の容疑者に毛利さんを選んだ理由って…?
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