劇場版&番外編
□壱
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4月27日
今年のゴールデンウィークは長い。
実家に帰ることも考えたけど、子ども達から遊ぶお誘いを受けたから特に予定は入れなかった。
今日は博士の家へ完成したドローンを見にいくことに。
外ではしゃぐ子どもたちの声が楽しそうで私も楽しい。
ちなみに私は、日差し避けのために哀ちゃんと2人で窓から様子を見てる。
「◇◇さん。飲み物用意したから向こうでテレビでも見ましょう」
「ありがとう哀ちゃん」
サミット会場として建設された国際会議場がテレビに映る。
ニュースを見ているとコナン君もやってきた。
「綺麗な場所だね。樹や水がたくさんある」
「サミット終わってしばらくは人が多そうね」
「落ち着いたら見に行けばいいんじゃねーか?」
まったりと雑談をしていたら、緊急ニュースが入った。
「あれ?白鳥のニュースじゃなくなった」
『先ほど国際会議場で大規模な爆発がありました』
え?
爆破された光景を呆然と見ていたら、コナン君が博士を呼びに走って行ってしまった。
あ、博士を呼ぶなら子ども達を見ておかないと。
私も席を立って博士と入れ替わりに外へ出る。
「みんな順番だよ。もし壊れちゃったら遊べなくなるからね」
「えー!遊べないのヤダー!」
「じゃあご近所迷惑にならないように気をつけて楽しく遊ぼうね」
「「「はーい!」」」
「おい!画面消えちまったぞ!」
「博士ー!画面が消えちゃいましたー!」
「おぉ、今行くぞい」
博士が出てきたのでまた入れ替わりで中に入る。
コナン君が何か考え込んでいた。
「そうか。言われてみればサミット前にテロを起こしたら本番の警備が厳しくなるだけだよな」
「まだ一般公開されてないから人も居ないし事故かも。ね、哀ちゃん?」
哀ちゃんの顔色が悪い
「哀ちゃん?」
「どうした?」
「…爆発直後の防犯カメラの映像」
「何か映ってたのか?」
「一瞬だったし見間違いかもしれないけど…」
「「?」」
「あの人が…ポアロで働いてる…」
「え?」
「確か名前は…安室透だったかしら」
「安室さんが!?」
あの爆発に巻きこまれたとなると無事ではないかもしれない。
とはいえカメラに映っていたのが本当に彼なのか。
外のカメラに映ってたということは無事なのか。
心配だけど、公安として動いている彼に簡単に連絡をしていいのかも判断できなかった。
「哀ちゃん落ち着いて。組織の仕業なら安室さんがカメラに映るようなことにならないよ」
「◇◇さん…」
「公安の仕事中の事故じゃないかな。明日にでもポアロ行って聞いてみるね」
真っ青な顔した哀ちゃんの頭を撫でる。
警察だと分かっていても、まだ安室さんに哀ちゃんを知られるわけにはいかない。
少し落ち着いたようで良かった。
安室さんも、無事だといいんだけど…。
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