劇場版&番外編

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バランスを崩した機体が再び攻撃してくるまで時間はかからなかった。



「くそっ!」

「コナン君どこ行くの!?」



私の制止を聞かずに階段を滑り降りてしまったコナン君。

安室さんと一緒に追いかけようとしたとき



恐れていた事態が起こった。

車軸が爆破され足元が崩れる。



「うわっ!?」

「きゃぁ!」



落ちる瞬間、安室さんに抱きしめられ後頭部に大きな手が当てられた。

傷だらけの体でずっと守ってくれてる…



「っ…◇◇、無事か?」

「大丈夫、ありがとうございます。安室さんは?」

「問題ない」



落下した高さは大したことなかったみたい。

上を見ると車軸が完全に破壊されていて、片側の観覧車が外れてしまっていた。



「大変!あのままじゃ…」

「◇◇は一刻も早く安全な場所まで避難しろ」

「安室さんは!?コナン君も赤井さんもどこに行ったか」

「頼む、言う通りにしてくれ」



真剣な眼差しを向けられれば拒否出来るはずもなくて。

確かにここに居ても出来ることなんて何もない。



「必ず貴女のところへ帰ります」

「…零さん」



その言葉を信じますからね。

彼に背を向けて観覧車の下まで走った。





私が外に出た頃には、転がった観覧車が水族館を壊して止まっていた。

しぼんだ大きいサッカーボールが見える。

コナン君たちが止めてくれたんだろう。



「本当に怖いものなしだなぁ…」



多くの人たちが落ち着いて避難を始めている。

人混みを避けて、みんなが帰ってくるのを待った。



「◇◇さん」



聞き慣れた声。

久しぶりに会えてからずっと硬い声ばかり聞き続けてきた。

ようやくいつもの優しい声で呼んでくれた。



「安室さん、怪我は?」

「かすり傷や軽い打ち身ばかりですから大丈夫ですよ」

「助けてくれてありがとうございます」

「今回はコナン君の活躍が大きかった。大した子です」



並んで歩いていると、ふと視線を感じた。



「赤井さん…」

「……」



安室さんと赤井さん。

お互い何も言わないまま、赤井さんは闇に消えていった。



「◇◇さん!安室さん!」



後ろからコナン君が走ってきた。



「コナン君、怪我はない?」

「うん」

「みんなを助けてくれてありがとう」



眼鏡を外して、コナン君にかけてあげる。

うん、やっぱり私にはこっちのコナン君がしっくりくるな。



「コナン君、◇◇さんと一緒に車で送っていくよ」

「ありがとう安室さん。でもスケボーがあるから大丈夫!」



コナン君が私にコソッと耳打ちする。

キュラソーのことは後日話す、と。



それだけ言うと、子どもらしく手を振って去っていった。



「じゃあ帰りましょうか」

「でもご迷惑なんじゃ…お仕事大丈夫ですか?」

「えぇ。公安だけならともかくこんな人の多い場所では指揮も出来ませんから」



今日はもう帰るだけだというのでお言葉に甘える。





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