劇場版&番外編

□I
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コナン君に呼ばれて毛利探偵事務所へ。

みんな揃ってテレビを見ていると、安室さんが例の如く差し入れを持って来てくれた。



「安室さん…最近◇◇さんが来ると絶対差し入れしてくれるよね」

「え、そうなの?」

「コナン君は相変わらず鋭いね」



コナン君がニヤニヤしてこっちを見てくる。

来客の際に差し入れが絶対って…もはや弟子というか家事手伝いみたいだ。

そんなことを口に出すと怒られかねないので苦笑いを返す。

心の中が読まれたかのように、2人はため息をついた。

相変わらず失礼な。



蘭ちゃんの電話が鳴った。

相手は園子ちゃんらしい。

テレビに映ってるエミリオについての話みたい。



「…ったく」

「コナン君、拗ねないの」

「さすがは鈴木財閥ですねぇ」



はしゃいでる可愛い蘭ちゃんを見ていると、毛利さんが眉を寄せた。

安室さんが苦笑いでテレビを指すと、美人マネージャーさんが映る。

毛利さんの目がハートに変わって面白い。



「…◇◇さんもエミリオ好きなの?」

「そうなんですか?」

「とても素敵な歌だし、イケメンだから人気あるのも分かるかな」

「つまり?」

「安室さん近い…。えと、好きだけどファンって程でもないです」



蘭ちゃんと毛利さんはエミリオに会いにいくことにしたらしい。

園子ちゃんが私のことも誘ってくれているらしく断るのも心苦しいな。

でも安室さんからの異様な圧力が怖い…。



「ね!◇◇さんも行きましょう!」

「えーと、どうしよっかな〜…あはは」

「場所はサクラサクホテルらしいんです!懐かしいですよね!」

「…っ!?」



そこは以前、蘭ちゃんがヴェスパニア王女の身代わりになった場所。

そして今日、次元パパと会った場所。

私の顔色が変わったのに気付いたのは安室さんとコナン君。

蘭ちゃんと毛利さんはテンションが上がってて気付いてない。



「蘭ちゃん…私も行く」

「本当ですか?やったー!」

「◇◇さん…?」



コナン君と安室さんが心配そうな表情でこちらを見る。

せめてパパに、日本に来た目的を訊かなくちゃ。

手綱を握っておけということは、放っておくとコナン君が危険に突っ込む可能性があるということだ。



ポアロに戻る安室さんに続き、私もお店にお邪魔することになった。

そして何故かコナン君も。

梓ちゃんはお花の水やりのため外へ。



「それで?まさかエミリオが見たいなんて言いませんよね?」

「!?違います!」

「では何故あのホテルに行くことにしたんですか?」

「それは…」



次元パパの話をしたら、コナン君は是が非でも事件に首を突っ込むと思う。

コナン君の心に火をつけたくはないんだけど…。



「ひょっとして、"パパ"に会った?」

「え…えええええ!?」

「やっぱり」

「コナン君の?」

「な、なんで知ってるの!?まさかコナン君も!?」

「エミリオの傍でテレビに映ってるの見たんだ」



隠しきれなかったことに項垂れる。



「コナン君の父親がどうかしたんですか?」

「違うよ安室さん。パパっていうのは、次元大介のことなんだ」

「次元って、確かルパン三世の仲間の?」

「うん。ボク、次元大介と親子のフリをしたことがあるの」

「ホォー…」



安室さんの表情が少し険しくなる。

世界をまたにかける大泥棒が日本にいること自体、彼には嬉しくないだろうから仕方ないかも。



「僕も同行します」

「え、安室さんも行くの?」

「あぁ。◇◇さんが浮ついた気持ちを持たないか監視しないと」

「失礼すぎる!そんなことしません!」

「安室さん。いくらなんでも◇◇さんに限って…」

「安室さんこそあの美人マネージャーに会いたいだけなんじゃないですか!?」

「僕には貴女以外の女性は目に入らないと何度言えば」



「…痴話喧嘩は家でやって」



呆れた顔のコナン君に、自我が戻る。

つい熱が入ってしまってしまった。

安室さんが謝ってくれたので、慌てて私も謝罪する。



また明日といって、コナン君と一緒にポアロを出た。



「安室さん、◇◇さんに会いたくていつも事務所に差し入れするんだよ?」



別れ際に言われたその言葉の意味を理解すると、顔の熱が治らなくなった。

明日どんな顔で会おう…。





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