劇場版&番外編

□I
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「◇◇さん、あそこに!」

「コナン君!?」



怪盗キッドを追いかけて行ってしまったコナン君。

私たちも安室さんの車で追いかけ、見つけたときには彼はボロボロになっていた。



「大丈夫!?怪我は!?」

「◇◇さん、大丈夫だよ」

「また随分と無茶をしたね」

「安室さんもね。車でここまで来られたのが凄いよ」

「もう…無茶する人ばかりで私の心臓が保たない」



ため息をつきながら博士新作のスケボーを手に取ると、綺麗に真っ二つになってた。



「なにこれ!?」

「あー…それは」

「この切れ口は…まさか刀?しかしこんなに切れるものでしょうか?」

「刀で真っ二つって…まさか」

「心当たりでもあるんですか?」

「◇◇さんの予想は当たってるよ」



そうなるとさっきのキッドは偽物で…。

コナン君がニヤリと笑みを浮かべる。



「まったく。最初からそう言えよーールパン三世!」



これは

世界一の大泥棒が日本にやってきたという事件の始まり。





ーーーーー



昨晩からルパン三世のニュースで日本中が大騒ぎ。

そして何の因果か、私は仕事でサクラサクホテルに来ている。

一室を借りて営業のサポートだ。

と言っても、取引相手の女性を威圧しないようにするためのただのお飾りだけど。



「本日は誠にありがとうございました」

「こちらこそ。こんな可愛らしい女性まで連れて来て頂いて」

「え!?いえそんな…っ」

「私のような大柄な男と同室では不安かと思いまして」

「ふふ、お優しいんですね」



取引相手と営業の話し合いは円満に終わる。

ホテル前で別れの挨拶をしていると、見覚えのある男性がホークアイの視界に入った。



「◯◯さん今日は付き合ってくれて助かったよ」

「えっ…あ、いいえ、大丈夫です。優しい方で良かったですね」

「うん。俺は会社に戻るけど◯◯さんは直帰でいいからね。お疲れ」

「お疲れ様でした」



営業担当と別れてそのまま直帰。

とはせず、先ほど見かけた男性の元へ向かう。

早撃ちの達人とは言え、木陰で私を待っててくれるような優しい人だ。



「なぜ日本に来たんですか?」

「日本人が日本にいちゃおかしいか?」

「ぷっ。それもそうですね」

「死角だっただろ。相変わらず便利な"目"をしてやがる」



帽子を目深に被っているけど、口元は大きく笑ってる。



「コナン君がルパンに気付いてましたよ?」

「みてぇだな」

「パパにも会いたがってると思いますけど」

「パパって呼ぶんじゃねぇ!」



相変わらずのやり取りに、思わず笑ってしまう。

『ガキンチョの手綱はちゃんと握っとけ』

それだけ言うと去ってしまう。

次元パパ…私に手綱が握れるなら苦労しないよ…。



心の声は届かなかった。





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