劇場版&番外編

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傍にいた安室の目を盗み、◇◇は離れた場所まで移動した。

闇夜から歩いてくる人影



「こんばんは、お嬢さん。こんな夜遅くにお一人ですか?」

「こんばんは、キザな怪盗さん。あの子たちを助けてくれてありがとう」

「えぇ…。ところでミステリートレインに居たあの男…」

「彼は大丈夫。深くは言えないけど、もう私たちに危害を加えたりしないから」

「まぁ、アンタが言うならそれでいいけどよ」

「私たちのことより、命を狙われてたって聞いたけど大丈夫?怪我は?」

「相変わらず心配ばっかだなー。大丈夫だって」

「コナン君とは対決してるのに、私はキッドに助けられてばかりだね」

「か弱い女性を助けるのは紳士として当然のことです。いくら特殊な能力があろうともね」



またいずれ、夜の逢瀬を

そう言い残すと煙を立てて姿を消した。

それと同時に安室が背後から近付いてくる。

ホークアイで注意は怠らなかったため、話していた内容が聞き取れる範囲には居なかっただろう。



「…浮気ですか?」

「なんでですか!」

「夜遅くに他の男と密会していたら普通はそう思います」

「じゃあ安室さんがベルモットと夜に会うのは浮気なんですか?」

「あれは仕事です。貴女とキッドの間にはビジネスが関わっているんですか?」

「ぅぐっ…ごめんなさい…」

「まぁ先ほどの爆発の件でお礼を言いたかっただけでしょうから今回は許します」

「分かってて聞いてくるあたりが怖いですね…」

「許すとは言いましたが妬いていないとは言ってませんよ」



◇◇の顔がかぁっと熱くなる。

戻りますよ、と促して前を歩く安室の左小指をそっと握る。

一瞬驚いたようだが、嬉しそうな顔で◇◇の手を握り直した。



「相変わらず僕の機嫌取りがお上手ですね」

「別にそんなんじゃ…。今日はちょっとだけ、寂しかっただけです」



そういうと安室は◇◇のこめかみにキスを落とした。

◇◇が照れたような、嬉しそうな顔をするのでそのまま唇へ。



「帰りましょうか、◇◇」

「はい、零さん」





end
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