劇場版&番外編
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レッドキャッスルに到着すると、先に服部とコナンを向かわせた安室は車を停める。
自分のスマホを見ると、◇◇からの着信が。
しかし今は電話を取る余裕はない。
一刻も早く依頼人のところへ向かわなければ。
時刻は9時30分を過ぎている。
声が聞きたいという気持ちに蓋をして、急いで二人を追った。
安室が依頼人のもとへ到着すると、コナンと服部がパソコンに何かを打ち込んでいた。
「二人とも無事か!?」
「安室さん!清水麗子が発砲した銃弾がシステムエラーを起こさせてるんだ!」
「なに!?」
「このままやと22時ジャストで爆発するで!」
安室が急いで駆け寄り、パソコンの配線を調べる。
「安室探偵…」
「伊東末彦さんですね。すみませんが今は貴方に構ってる余裕はありません」
「秘密を共有することで男と女の仲は深くなる」
「…?」
「一番深い秘密は、愛する女性と犯罪を共有することなのさ。
だが西尾が警備員を撃ったために私の完璧な計画が台無しに…」
パソコンを調べる安室の顔が一気に険しくなる。
勝手なことを…そのエゴのために◇◇が人質になっているというのに。
「完璧なんてこの世にはねぇよ。絶対どこかで歯車が噛み合わなくなる」
「…!」
「そのまま無理矢理動かして何もかもダメにするか、一度リセットして正常に戻し頑張って遅れた分を取り戻すかはその人次第」
安室と服部がコナンを見る。
必死に配線をつなぎ合わせ、且つ犯罪者の心に真実を解く。
「アンタは怖かっただけだよ。リセットするのがな」
「…そうかもしれないな」
安室がボタンを押すと、余分なモニターが消えた。
「コナン君、これでどうだ!?」
「ダメだ!エラーが解除されない!」
「なんやこれ!?」
「時間が解除されないとIDも外せねぇってことだろ!」
その時、安室が伊東のノートパソコンを見た。
ーーーーー
「(コナン君、毛利さん、平次君、…零さん)」
「◇◇さん…」
「蘭ちゃん、どうしたの?」
「何かあったんですか?刑事さんもいっぱい居るし、お父さんたちは帰ってこないし」
「…大丈夫。毛利さんたちが帰ってきたらお疲れ様って言ってあげようね」
IDがついていない右手で、蘭の頬を撫でる◇◇。
少し照れたような表情をしたあと、彼女はみんなの所へ戻って行った。
窓からミラクルランドを眺める。
さっきかけた電話は折り返しがない。
安室が怪我などしていないか心配ではあるが、不安はない。
彼は…彼らは必ず助けてくれる。
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