劇場版&番外編
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ガチャン、と鍵をかける音がした。
「邪魔をされたくないもので」
「邪魔って…」
「10万人目の客はボクじゃないでしょ?」
「僕たちが到着したときには既にくす玉の紙吹雪が落ちてましたし」
1時間前に到着した客が、既に10万人目に当たっているという。
安室が席につくと、高田が部屋のカーテンを閉めモニターに映像が映る。
『来て頂いてありがとう。私が依頼者です。
事情があって顔を公に出来ない無礼をお許しください』
モニターに映った男から説明される。
ヒントを元に、何の事件かを調べてそれを解決しろという。
しかも依頼した探偵は毛利が五人目、安室が六人目だと。
「それで、前の四人は…」
『一人はまだ調査中。二人は辞めてもらい、もう一人は事件を解決出来ずにここに居ます』
モニターが切り替わると、一人の男が映った。
毛利が以前一緒に仕事をした探偵だという。
安室たちと同じフリーパスIDが、カウントダウンを始めた。
男が慌てて外そうとするが、無念にも爆破されモニターからは姿を消した。
今夜10時までにある事件を解決しなければ、装着した三人のフリーパスも爆発するという。
その瞬間、安室がはっと息を飲んだ。
「◇◇…!」
「そうだ…蘭たちの付けたIDは!?」
『子どもたちのIDも、貴方達につけたものとほぼ同じです』
ほぼ、という言葉に安室とコナンが表情を険しくする。
ミラクルランドに一度入り、そこから出ようとすると爆発する仕掛けが追加されている。
それを聞いたコナンがベランダに飛び出し探偵バッジで哀に呼びかける。
安室はスマホで◇◇に電話をかけた。
「(早く…早く出ろ◇◇!)」
『…安室さん?』
「◇◇さん!園内に入らないでください!」
『え?』
「いいから皆を止めてください!早く!」
『そんなこと言っても…もうみんな入っちゃいましたよ?』
安室の顔が後悔に染まる。
依頼人がコナンを10万人目の客だと偽って部屋に残したことで、捜査に同行させるのは危険だと判断した。
蘭たちと遊んでいれば大丈夫だろうと思ったが甘かったようだ。
『安室さん?何かあったんですか?』
「追って連絡します。それまで絶対に皆さんを外に出さないでください」
入るなと言ったり出るなと言ったり、彼女は今頃混乱しているだろう。
電話を切り、ベランダから戻るコナンを見たが安室と同じ表情をしている。
今はこの依頼人から話される事件を解決することが最優先だ。
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