神様の気まぐれ

□第8話
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タクシーで東都水族館に到着した頃には、既に日が沈み始めていた。

今ならまだ少年探偵団が観覧車に乗る前に止められるかもしれない。



観覧車の添乗員に話を聞く。

だがそう上手くいくはずもなく、子どもたちは既に観覧車まで案内した後だという。

大財閥の力を前に、一般人が何を言っても観覧車は止まらないだろう。



「仕方ない。まずは赤井さん達が集まる場所へ向かおう」

「うん。なんとしてもキュラソーの"あの"運転をやめさせないと」



観覧車に並ぶ人混みを避けていると、コナンの姿があった。



「お姉さん達、なんでここに!?」

「話はあとだ。コナン君こっちへ」

「私がスタッフに話しかけてくるからその隙に階段を上って中へ行って!」

「ちょ…」

「◇◇、先に行く!」




◆◆はコナンの手を掴み、一気に階段を駆け上った。

観覧車の中心部へ到着したところで、コナンに天井を見るように伝える。

そこには無数に張り巡らされた爆薬。

次に◆◆が指した場所は、爆薬が繋がれている消火栓。



「あれは起爆装置か!?」



未来を伝えるのではなく、在るものをきちんと見せることで事実を話した。

こんなところで神様の約束を破り、時間を無駄にするわけにはいかない。

起爆装置を確認したあと、コナンが再び天井に目を向けたとき



「あれは赤井さん!?どうしてここに…」

「コナン君、赤井さんがいるなら協力を頼もう」

「あ…うん、そうだね」



◆◆とコナンは更に上へと上っていく。

コナンが赤井に電話をかけるが繋がらない。

その時、上から大きな物音がした。



「(この忙しい状況で女を巡ってケンカしてると思うと腹が立つな…)」

「◆◆さ…、お姉さん顔怖いよ?」

「悪いな名探偵、気にしないでくれ。あと呼びやすいように呼んで構わない」





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