神様の気まぐれ
□第5話
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夕方
◆◆は約束通り、お鍋を返すため工藤邸へ向かった。
招かれるまま中へ入ると、紅茶を用意してくれたのでありがたく頂く。
すると沖矢は突然マスクを取ってしまった。
「なっ!?」
「マスクをずっと着けているのはなかなか暑苦しくてな」
「でも有希子さんが居ないと変装出来ないんじゃ…」
「…君は何でも知っているんだな。今は自分でも変装出来る、問題ないさ」
その言葉にホッと息をつく。
彼が自分でも変装出来るということは、ミステリートレインは終わっていると見ていいだろう。
そろそろ緋色の捜査官がマカデミー賞を受賞する頃か。
マスクを取った赤井を見る。
「そのスパダリ感は一体どこから溢れ出てるんだ…」
「先日も言っていたな、スパダリとは何だ?」
「スーパーダーリンの略」
整った容姿、高身長、高学歴、高収入、大人の余裕と包容力があるといった高スペックな攻めへの称賛の言葉。
By.ぐー●る先生
「褒め言葉だったのか」
「ん。アメリカ人なんだから素直に受け取ってくれ」
「そうするとしよう」
何故か満足そうな◆◆にフッと笑う。
煙草を吸いながら雑談するが、探りを入れてくる様子がないことを不思議に思った。
疑問をそのまま口にする。
「FBIで調べたが、戸籍も経歴も怪しいところはなかった」
「(まぁ神様がイジってるんだから抜け目ないよな)」
「少なくとも色仕掛けをする人間はわざわざファンなどという言い方はしないからな」
「それで疑わなくなったと?」
「怪しい点しかないがな」
「だよな」
憧れの人間を前に軽口を叩きながら話せるとは思っていなかった。
紅茶を飲み干し、お暇する。
この後は◇◇と合流し、ポアロで合流する予定だ。
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