神様の気まぐれ
□第4話
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◇◇が休日に散歩をしていると、少年探偵団を見かけた。
お花見会場に入っていくところのようだ。
確かそんな事件があった気がするが、ここにはベルモットが来るはず。
早めに退散することに決めた。
「あの時のお姉さん?」
「ん?」
振り向くといつの間にかコナンに見つかっていたらしい。
少年探偵団は少し離れた場所にいるようだ。
「こんにちは、また会ったね」
「ねえ、お姉さん…達は何者なの?」
「似たようなこと別の人に聞かれたな〜」
屈んで目線を合わせると、コナンの頭をそっと撫でる。
怪訝な顔をしているが、払い除けられはしなかった。
「一般人だよ。警察でもなければお酒の名前も持ってないし」
「!?」
「私たちは君のファンだよ、東の名探偵君」
「…僕子どもだよ?何言ってるの?」
「でもごめんね、君たちの役に立てる力は持ってないんだ〜」
一刻も早く君たちが幸せになれる日を祈ってる。
そう言うと、会場を離れるべく立ち上がる。
待って!と声がかかるが、◇◇としてもここに長居はしたくなかった。
コソっとコナンに耳打ちをする。
「緋色の捜査官が私たちを調べてるだろうから、話を聞いたらいいよ」
もう一度コナンの頭を撫で、今度こそ会場を後にする。
道中、見覚えのある日傘をさした妊婦が目に入った。
思わずベルモットに感動したのも一瞬、安室が変装した男性が視界に入ったことで意識が戻る。
邪魔だと言って殺されたくはないので逃げるように去った。
それを目で追うようにして、ベルモットがバーボンに話しかける。
「彼女、なんなの?」
「…何がです?」
「この姿を見て一瞬うっとりした顔をしたわ」
「さぁ?変装しているその女性と知り合いなのでは?」
納得していなさそうなベルモットだが、それ以上は何も言わなかった。
ーーまさか変装を見破ったのか
それとも最初から知っていたのか
公安に調べさせた結果、◯◯◇◇には不可解な点が多いが一般人だという結果にある。
「(ベルモットも彼女を知らないということは、組織の人間でないことは間違いないようだが)」
◇◇が歩いていった方をチラッと見る。
すぐに気を取り直し、ベルモットとは別に花見会場へ入った。
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