短編&リクエスト

□F
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意識が浮上する。

見えたのは真っ白な天井だった。



「◇◇っ!」

「◇◇さんっ、気が付いた!?」

「…安室さん?コナン君?」



顔を横に向けると、いかにも心配してますという二人の顔が映った。

頭に鈍痛が走る。



「いたっ…」

「あんまり動かしちゃダメだよ」

「◇◇さん、今朝のこと覚えてますか?」



今朝

普段より早く家を出て、朝靄の中を歩いていたとき



「階段から、落ちた…?」

「通りがかった人が落ちる瞬間を見ていて、救急車を呼んでくれたんですよ」

「その人、◇◇さんが落ちる瞬間に他の人影が見えたって言ってたけど…」

「うん。背中を押された覚えがある」



二人はやっぱり、と顔を見合わせた。

そっか、私突き落とされたんだ。



「何か心当たりはありませんか?」

「男性か女性か、とか。ホークアイで顔見えたとか」

「咄嗟のことだったしキャップを被ってたから顔は…」



すっとカバンを指差して、コナン君に取ってもらうように頼む。

起き上がる私を安室さんが支えてくれた。



「これ」

「「USB?」」



拾った経緯と、持ち帰った理由を説明する。

路地を通ったことは案の定怒られた…。



「◇◇さん。これは僕が調べて構いませんか?」

「はい。あ、でも会社の人のかもしれないので…」

「もちろん中を確認したら教えますよ」

「ありがとうございます」



そう言うと、私のことをコナン君に任せて安室さんは病室を出た。

小学生に任される私って…。



「安室さん、相当焦れてたからな」

「どういうこと?」

「突き落とされたかもしれないって分かって犯人の捜査をしたい。でも◇◇さんの傍にも居たかったんだろ」

「…心配かけちゃったね」

「ったく。何でよりによって普段通らない路地使ったときに事件に遭うんだよ」

「誰かさんの事件体質が移ってたりして」

「バーロー。人のせいにすんな」



看護師さんが診察にきて、念のため明日は脳外科の診察をすると言われた。

コナン君も明日また来てくれると約束して帰っていった。





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