短編&リクエスト

□No.5
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とある病院の一室。

室内には、昨日と同じように眠る◇◇と、その傍らで項垂れる安室の姿。

それを見たコナンは思わずため息を吐いた。



「安室さん。ボクが代わるから少し寝てきたら?」

「大丈夫だよコナン君」



とても大丈夫には見えない安室の表情にコナンは顔をしかめた。

無理もないのかもしれない。



誰が予想出来ただろう。

あの"榛沢"が脱獄して再び◇◇を誘拐するなど。

例の組織は壊滅したというのに。



「怪我だけで済んだのは不幸中の幸いだ」

「安室さん…」

「骨や内臓に異常もない。痕が残るような傷もない」

「安室さんがすぐに◇◇さんを助けてくれたからだよ」

「なのに、どうして目を覚まさないんだ…」



すぐに駆け付けた安室によって榛沢は再び逮捕された。

その時には、既に傷だらけで衣服も切り刻まれた◇◇が気を失っていた。

取り調べで分かったことは、あの男がどこまでも腐った思考をしていることだけ。



「(彼女を孕ませて生ませた子どもごと解剖する気だったなんて…)」



俗に言う闇医者の集まりだった組織の男だ。

医師の人体への興味というには、あまりに狂気的なものだった。

コナンも取り調べの結果を知りたがったが、子どもに聞かせるような内容ではないため安室は黙秘している。

榛沢の犯行は未遂に終わったものの◇◇は眠り続けていた。



「…ぅ」

「「!!」」



◇◇がうっすらと目を開ける。

安室とコナンが覗き込んだ。



「◇◇!」

「◇◇さん気が付いたんだね!」

「…?」



コナンがナースコールを鳴らす。

安室はすぐに◇◇の手を握った。

本当は今すぐにでも抱き締めてあの男の感覚を払拭したかったが、◇◇は怪我をしている。



「もうすぐ先生来るからね!」

「…ボク、私のこと知ってるの?」

「…え?」

「…◇◇?」



安室とコナンの表情が一気に青ざめる。

呆然としているところへ担当医師が入ってきた。

外傷について問題はない。





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