短編&リクエスト

□中
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せっかく海に来たのにいつまでもヘソを曲げるのはもったいない。

というわけで、皆でビーチバレーをしたあと休憩。

蘭ちゃんと園子ちゃんはカキ氷を食べている。



「◇◇さんどこ行くの?」

「向こうのほうが景色が綺麗なんだって。様子見てこようと思って」



コナン君も一緒にいく?と訊けば頷いてついてきた。

他のお客さんの噂通り、本当に綺麗なら皆を呼んで海に入ろう。

歩いていくと、確かに綺麗な場所に出た。

水平線を見渡せば離れた場所にとても大きな岩場がある。



「本当すごいね!」

「だな。蘭たちもカキ氷食べ終わるだろうし呼んでくる」



コナン君がみんなを呼びに行ってくれたので、私はひとりこの景色を堪能する。

すると、波打つ海の一角に小さな気泡がぷくぷくと上がってくる場所があった。

まさか誰かが溺れてる!?

慌てて海の中へ入りホークアイを使ってあたりを見渡す。



「(人影は見えない…溺れてる人がいる訳じゃなかったのかな?)」



ひと安心して海上へ上がろうとしたとき、視界に映った光るモノ。

気になって見たそれはとても綺麗な髪飾りだった。

誰かの落し物かもしれないと、手に取って今度こそ海上へ。



「あ!◇◇さん居た!」

「ちょっと先に入るなんてずるいわよー!」

「ごめん!ちょっと気になるものがあったから」

「気になるもの?」

「そうなんです。一回上がりますね」



手の中にある髪飾りをしっかりと握り直して、岸へ向かう。

否、向かおうとした瞬間、左足首に何かが絡まる感覚が



「きゃっ!?」

「◇◇さん!?」



安室さんの驚いた声が聞こえた。

身動きが取れないせいでそのまま波に襲われる。



とっさに潜って足を見ると海底から生えた海藻が絡みついている。

こんなに長い海藻、さっきまでどこにもなかったのに!

必死に足を動かしても一向に外れる気配がない。

むしろどんどん海底に引っ張られていく。



「(…息、が…っ)」



波に襲われるまま潜ってしまったため息が続かない。

さすがにもうーーー



意識が途切れる直前、零さんの姿が見えた気がした。





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