短編&リクエスト

□No.3 前
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「さー!到着よ!」



勢いよく声を上げたのは園子ちゃん。

鈴木財閥が経営する旅館へとやってきた私たち5人。

園子ちゃんを筆頭に、蘭ちゃん、コナン君、そして安室さんと私。

ちなみに安室さんは駐車場へ車を停めに行っている。



今までの傾向から、鈴木財閥がホテルではなく旅館経営まで始めるとは思っていなくて驚いた。



「どーよ?我が鈴木財閥が総力を上げて建てたリゾート旅館は」

「すごいよ園子!綺麗なところだねコナン君」

「そうだね!(お嬢様は相変わらずだな…)」

「園子ちゃん、私たちまで呼んでくれてありがとう」

「いいのよ!このあと海に行って◇◇さんの水着姿で安室さんもノーサツよん♪」



今時、悩殺なんて言葉は使うんだろうか…?

安室さんに限ってそれはないでしょ〜と話していると、安室さんが戻ってきた。



「僕がどうかしましたか?」

「何でもないです!園子ちゃん私早く中見たいな!」



中に案内され、部屋割りを決める。

二人部屋と三人部屋を一室ずつ取ってくれているらしい。



「やっぱりここは安室さんと◇◇さんが同室じゃない?」

「僕は構いませんよ」

「私が構います!普通に男女で別れましょう!?」



その提案に安室さんは肩をすくめ、コナン君は呆れた顔で安室さんを見ていた。

もう…みんな揶揄いすぎ。



各々部屋へ移動し、水着を用意してからロビーで落ち合うことになった。

ちなみに私と蘭ちゃんの水着は、園子ちゃんが用意してくれているらしい。

そこまでお世話になるのは申し訳ないと思ったけど、どうしても私たちに着て欲しいものだからとお願いされた。



「園子、水着はどうするの?」

「ビーチの更衣室で渡すわ」



出し惜しみされてるのがとても気になる。

園子ちゃんのことだから際どい水着とかじゃなければいいんだけど…。

ビーチの一部や更衣室も鈴木財閥が手を加えているためとても綺麗なんだという。

清潔感のある更衣室というのは嬉しい。



荷物を持ってロビーへ行くと、既に安室さんとコナン君が居た。



「安室さん、コナン君、お待たせしました」

「大丈夫ですよ」



そういって私のタオルや小物が入っている方の荷物を持ってくれる。

素直にお礼を言うと、ニコッと笑ってどういたしましてと返された。

相変わらずスマートだなぁ。



「園子お嬢様、お出かけですか?」



旅館の女将さんが園子ちゃんに声をかけた。



「えぇ。海まで行こうと思って」

「さようでございますか…」

「…?何かあったの?」

「いえ…その…」



女将さんが言いづらそうに口を開く。

夜、小舟に乗った女性が海に頭を突っ込んで何かを探しているのを見かけた人達がいるらしい。

しかもその女性を目撃した次の瞬間には、その人は小舟ごと消えてしまうのだそうだ。



女将さんは、せっかくの楽しい時間を台無しにするような話をしたことに謝ってくれた。



「気にしないでください。それよりも園子ちゃんに何かあったときの方が大変ですから」



心配して言って下さったんですよね?

女将さんに笑いかけると、彼女は嬉しそうな表情で頷いた。



「でもその話本当かな?もしかして幽霊…」

「大丈夫よ蘭!」

「そうだよ蘭姉ちゃん。そもそも夜までには帰ってくるでしょ?」

「そ、そうだよね」



女将さんと従業員の方々に見送られ、私たちは海へ向かった。





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