短編&リクエスト
□◯◯しないと出られない部屋
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【野球拳しないと出られない部屋】
「「野球拳?」」
「「……」」
◇◇とコナンが揃って首を傾げる。
安室と赤井は何も言わない。
「◇◇さんも知らないの?」
「待って、スマホで調べてみる…あ、圏外だ」
「オイオイ…。赤井さんと安室さんは知ってる?」
「それより他に出る手段がないか探しましょう」
「しかし他に出口がないぞ安室君」
「なら力ずくでこじあけるまで」
男性二人が奮闘しているが開かないらしい。
「安室さん、大丈夫ですか?」
「赤井さんもそれじゃ体力削る一方だよ」
「この場で野球拳なんかするぐらいなら他の方法を考えるべきです」
「だからそもそも野球拳って何なんですか?」
「野球拳とはジャンケンで負けた者が服を脱いでいくゲームだ」
「「…!?」」
「もう少し配慮しろ赤井ィィィ!」
◇◇とコナンは呆然としていたが、ひとまず覚醒した。
「試すか?」
「ふざけないでください。万一にも◇◇さんの肌をお前の前で晒させるわけないだろう」
「でもこのままじゃずっと閉じ込められたままだよ?」
全員でうーんと頭を捻るがいい案が浮かばない。
おずおずと◇◇が口を開いた。
「一応、上着があるのでとりあえず一回やってみますか?」
「…◇◇さんが良いなら、そうですね」
「そうだね!じゃあいくよ?じゃーんけーん」
ぽん
「あ、コナン君負けちゃったね」
「うん。上着脱いでみるね」
ピロン。と扉の方から音がした。
「開いたみたい!」
「…いや、開いてはいないな」
「どうやらまだ足りないみたいですね」
「さすがに一回じゃダメですか」
「じゃあ次ね!じゃーんけーん…ぽん」
負けたのは◇◇。
上着を脱ぐとまたピロンと音がしたが扉は開かない。
「まだ開かないようだな」
「まったく…犯人も随分悪趣味ですね」
「◇◇さんもう一回やる?」
「そ、そうだね。…じゃーんけーん、ぽん」
負けたのはコナン。
白いシャツを脱いだが、音が鳴らない。
「あれ??」
「シャツ脱いでもダメなのかな?」
「…いや、他に理由があるかもしれません」
4回目のジャンケン、負けたのは赤井。
上着を脱ぐとピロンと音がした。
「どういうことでしょう??」
「もしかして…」
「安室さん分かったんですか?」
「えぇ、でもまだ確証がありません」
「だが恐らく…もう一度やるぞボウヤ」
「うん。じゃーんけーんぽん。…あ」
「◇◇さん…大丈夫ですか?」
「えーっと…靴とかでもいいのかな?」
ブーッ
「…ダメなの?」
「誰かが見てるんでしょうか」
「じゃあ、靴とソックスならどう?」
ピピッ
「…それならいいんだ」
「◇◇の生脚を晒すなんて…部屋を出たら覚悟していろ」
しかし靴とソックスを脱いでもまた音がしなかった。
「彼女の肌を晒させておいてまだ開かないとは…!」
「安室さん顔戻して」
「ボウヤ、放っておけ。それよりこれでハッキリしたな」
「うんボクも解った」
「え、解ったの?」
「うん。早ければあと一回だけど、◇◇さんそれ以上はマズイよね…」
「うっ」
「大丈夫です。あと一回で必ず終わります。あなたは僕が守る」
「うぅ…分かりました。じゃあいきますよ?…じゃーんけーん」
ぽん
負けたのは安室
着ていたジャケットを脱ぐと音が鳴った。
ガチャッ
「開いたー!」
「やっぱり、全員が一回ずつ負ければ良かったんだね!」
「そうなの?でもそれじゃ、安室さんよく最後狙えましたね」
「全員の指の動きに集中すれば何を出すかは分かりますよ。それぞれ最初に出す癖もありますし」
「「……」」
「どうしたボウヤ、◇◇」
「私、コナン君が普通の少年に見えてきたよ」
「ボクも◇◇さんが普通の人だと改めて思った」
「「?」」
end.