短編&リクエスト

□C
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最近体調が良くないと思い始めてから約一週間。

先輩に心配され、病院に行くよう勧められた。

町医者に行こうとしたが、風邪ではなさそうだから総合病院へ行けと言われる。

なんとなく胸がざわつく。

待合室で名前が呼ばれ、検査結果はーー



「おめでとうございます。ご懐妊されてますね」



嬉しさと混乱が入り混じった。

相手は零さんしかいない。

問題はそこじゃない。

かつて彼に告白された時のことを思い出す。



『友人としてではなく恋人として、ずっと僕の傍に居てください』



分かってる。

あの時は『友人』と『恋人』の違いを示すためにそういう言い方をしたんだって。

でも、もしも彼に結婚する気がなかったとしたらーー?

もしもこの子に、私と同じ能力が受け継がれたらーー?

せっかくお腹に宿った小さな命を、心から喜んであげられない自分が酷く惨めだった。



告げるべきか、別れるべきか、堕ろすべきか。

何度考えても三つ目の選択肢は選べなかった。

かといって最初の二つのどちらにしても思考が良い方向へ進まない。

ポジティブが取り柄だったはずなのに。

体の不調は続き、食事もマトモに出来ていないままではどの道すぐ彼にバレてしまう。

そして今日も、朝からベッドにぐったりと横たわってマトモに動ける状態ではなかった。

せめてもう少し落ち着いてから考えよう。

そう思ってまた眠りにつく。





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