第2章

□第33話
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数日後、学校帰りの子どもたちに誘われて再びポアロへ。

安室さんを警戒している哀ちゃんはもちろん不参加。

あとで博士の家に行くねと伝えて別れる。

お店に入ると、安室さんは真剣な表情で料理をしている。

邪魔をしないように少し離れた席へ。

コナン君はしばらく店の外から撮影していたらしいけど、スマホの動画では小さすぎてよく見えないらしい。

気になるのは、外から店内が見えなくなる数十秒の間に通る車のこと。



「他に手掛かりもねぇし、博士に頼んでもう少し見やすくしてもらうか」



そのとき、安室さんの手が止まった。



「博士って、君に面白い道具を色々と作ってくれるあの博士?」

「え?うん!」

「そう…」

「◇◇さんも博士ん家に行くんだよね?一緒に行くからちょっと待ってて」



安室さんは博士のことが気になるんだろうか?

しかしそれ以上何も言わなかったのでコナン君と一緒に博士の家へ向かうことにした。





動画の解析をしたところ、映っていたのは二日とも同じタクシー。

コナン君には謎が解けたようで一安心。

私はというと、博士に頼まれてドローン修理のお手伝い。

といっても大層なことは出来るはずもなく、言われたことをするだけだ。

隠しカメラやモニターの設置をしたときもそうだったが、昔はそんなこと到底出来なかったのに、良いように教育されているのは気のせいじゃないと思う。





翌朝またコナン君に誘われてポアロへ行くと、彼の推理ショーが始まった。

外から店内が見えなくなったときにケーキが型崩れしていたという。

原因は電気ポットにあると言ったとき、その様子を見ていた安室さんが微笑んだ。



コナン君曰く

タクシーの無線が電波干渉してIOTポットが起動し、お湯が湧いてその蒸気がストッカーに入ったことでケーキが崩れたと。



「じゃあまた安室さんのケーキ食べられる?」

「もちろん食べられるよ。ただ前とは少し違うケーキだけどね」



そう言って登場したのは、最初から形が崩れているという半熟ケーキ。

クリームとフルーツが乗っていてとても可愛らしい。



「安室さんって、ケーキが崩れた原因じゃなくて崩れないケーキのレシピをずっと考えてたの?」

「そうだよ。だってそれが僕の仕事でしょ?」



にっこり笑った安室さんの対し、コナン君は呆れた表情をしていた。

てんやわんやしながらも平和な日常で何よりだ。

そこへ毛利さんが来店し、みんなでケーキを試食する。



「◇◇さんどうですか?」

「前のが食べられないのは残念ですけど、こっちもとても美味しいです!」

「以前のが食べたければ言ってください。家でならいくらでも作りますから」

「クスッ、ありがとうございます」





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