第2章
□第27話
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しばらくすると目暮警部と高木刑事が到着して現場に入っていったので、探偵3人もそれに続く。
遺体がスタジオから運び出され、もう一度監視カメラを確認するために全員がロビーへ戻ってきた。
「◇◇さん」
「コナン君。残念だけどロビーと休憩所はなにも無かったよ。念のため女子トイレも見たけど」
「さすがですね、◇◇さん」
「安室さん…いや結果何も見つかってないですよ」
「何も見つからないという事実も大事な情報の一つですよ」
安室さんと話していたら、コナン君がいつものように私の腰を肘で突いた。
コクっと頷くと彼は蘭ちゃんのところへ。
その様子を見ていた安室さんが首をかしげる。
「◇◇さん、コナン君どうかしたんですか?」
「これから例の三人の状況説明が始まるんですよね?」
「えぇ、監視カメラを見ながら順番に話を聞くみたいです」
「その間に彼女たちを観察してろってことみたいです」
「言葉を交わさずに意思疎通が出来るなんて妬けますね」
「…こんな時にからかわないでください!」
周りに聞かれないように小声で話していたにしても、状況を考えてほしい。
少し赤くなった顔を冷ますために私も蘭ちゃんたちのところへ。
後ろでクスクス笑ってる彼に反応したらまたからかわれるから無視だ。
そして安室さんは警部さんたちの方へ。
それぞれの状況を聞く限り、特におかしい場所はない。
ふと真純ちゃんを見ると、ロビーに入ってきたばかりの男性を見ていた。
「どうしたの?世良ちゃん」
「あの人たち怪しんでるの?」
「あ、いや…ギターケース背負ってる人を見ると思い出すんだ。4年前、駅のプラットホームにたたずむギターケースを背負った秀兄をな!」
「!」
「(秀兄ってことはやっぱコイツ赤井さんの妹か?)」
言われてみれば兄妹だと分かるくらい赤井さんとそっくりだ。
何故今まで気づかなかったのか
だからミステリートレインの時、彼は倒れた真純ちゃんの傍にいたんだと。
でも真純ちゃんは大好きなお兄さんが死んだと思ってる。
とてもやるせない気持ちになるけど、軽率なことは出来ない。
…ごめんね真純ちゃん
「でもさ、その時秀兄の連れの男が…『君、音楽好きか?』っ言ってベースを教えてくれたんだ」
「じゃあその人、お兄さんの音楽仲間だったんじゃないの?」
「それはどうかなぁ?その人がベースを入れてたのはソフトケースなのに、ベースを取り出してもピンと立ったままだったから」
真純ちゃんが考え込む姿勢にうつる。
「もしかしたらベースはカムフラージュで、別の硬い何かが入っていたのかも」
「(ライフル…)」
「……」
「その人の名前聞いた?」
「聞いてないけど、後から来た別の男がその人のことこう呼んでたよ」
『スコッチ』
その名前を聞いた瞬間のコナン君の顔つきが少しだけ変わる。
聞き覚えでもあるんだろうか?
「その後から来た男、帽子を目深に被ってたから顔はよく見えなかったけど…似てる気がするんだよね。安室さん、アンタにな」
「人違いですよ。そんな昔話より、今ここで起きた事件を解決しませんか?」
安室さんの表情も、なんとなくいつもと違う気がする。
でもそれを詮索するのは私のやることじゃない。
警察が凶器を調べているけど、どこにも見つからないと騒いでる。
そんなとき、ふと彼女の指先が視界に入った。
あれ…?確か彼女って…
コナン君に近付いて確認する。
彼女、確か爪を切ると言っていたのに手入れがされていない。
それを伝えるとコナン君は離れていき、撮影したスマホの動画を見せてもらっている。
三人とも同じ、イタズラっ子の顔してる。
思わずクスっと笑って、私の今回のお役目は終了。
蘭ちゃんと園子ちゃんと三人で、事件解決まで雑談していた。
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