第1章
□第5話
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コナン君を探さなきゃ!
私はスマホを取り出してある番号へ電話をかけた。
「しかし弱りましたね。新たな死体を発見し、その犯人にコナン君を連れ去られたというのに朝まで手が出せないとは」
「あのガキがこっそり居場所を教えてくれりゃ…」
「あ!それなら…」
「もしもし博士!?コナン君が連れ去られたの。予備の追跡眼鏡で大至急コナン君の居場所を探して!」
「さすが◇◇さん!もう阿笠博士に連絡してくれてる!」
「阿笠博士…?」
「コナン君、いつも発信器付きの探偵バッジ持ってて…それを追跡出来る眼鏡をその博士が作って持ってるんです!」
「ホォー…」
私が博士との電話を終えると、今度は蘭ちゃんが電話してるようだった。
安室さんが部屋を調べているようなのでついていく。
「安室さん何かありましたか?」
「この部屋、靴も洗濯物も男性のものしかないんですよ」
「そう言われてみれば…」
安室さんが見てるシューズボックスを覗き見れば男物ばかり。
彼が調べたであろう開けっ放しの洗濯機の中には男物の服だけ。
リビングまでついていくと、蘭ちゃんと毛利さんも入ってきた。
そこで録画されていた番組を見ると、今朝と同じ銀行強盗事件のニュースばかりだった。
寝室のパソコンを3人が調べてる間に、私は阿笠博士に再度電話した。
協力者が居るみたいで、その人が運転して追ってくれてるらしい。
電話を切って私も寝室に入る。
パソコンのパスワードについて話してたみたい。
安室さん…貴方絶対机の裏にパスワードあるって知ってたよね…
じとーっと見つめていたのがバレたのか安室さんがこちらを振り向いたけど素知らぬ顔で3人に近づいた。
パソコンには、銀行強盗の計画書が入っていた。
強盗犯3人のうち、ひとりの女性が使っているであろう住所を見つけ、そこへ向かうことになった。
運転する安室さんの助手席に座って、博士と電話をしながらコナン君の居場所を確認する。
そんなことをしてる間に、気付けばコナン君から蘭ちゃんへメールが届いてた。
『大丈夫だから心配しないで』
「どうやらあの子、自らついていったようですね」
「あのガキ…また探偵気取りかよ」
「まぁ子どもの好奇心は、探偵の探究心と相通ずるものですから…」
博士との電話を繋いだまま、チラッと安室さんを盗み見る。
普段はニコニコして人当たりが良い。
けど事件となると、なんて真剣な表情。
さっきマンションを1人で調べてる時もそうだった。
私たちと居る時は、捜査中であってもどこか穏やかな雰囲気を纏ってる。
でも今はむしろ、真剣な表情の彼こそ素なのかと思うくらい…としばらく考えこんでしまってハッとする。
今はそんなこと考えてる場合じゃない。
恐らくコナン君は自分で樫塚さんについていったけど、彼が無事に帰って来られる保証はない。
今はコナン君だ!と思い直したその時、電話から博士の声が大きく聞こえた。
毛利さんに電話を変わるように言われ、スマホを渡す。
「小僧を乗せた車が王石街道を北上してる!?」
「王石街道ってこの道じゃない!」
「車は青いスイフトで…番号は!?」
会話を聞きながら、対向車線を走る青いスイフトが見えた。
「安室さん!あれ!」
「何かに捕まって!」
安室さんも気付いていたのか、急ブレーキをかけてUターンする。
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