第1章
□第1話
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米花町
一ヶ月ぶりに戻って来た、私が住んでいる町
一人暮らしのマンションに帰るまでの間、コナン君と出会った経緯を思い出していた。
彼と知り合ったのは本当に偶然。
隣町のデパートで買い物をしていたとき、殺人事件が起きた。
たまたまその店内に居合わせたのがコナン君と哀ちゃん、そして阿笠博士。
私も殺害現場の近くにいたため容疑者の一人となっていた。
警察に事情聴取をされている間、子どもが現場を調べ回っているのには驚いたけど警察の人が軽く注意するだけで済ませてたからそれも不思議だった。
そして高かったお日様が沈み始めた頃
突然、阿笠博士の推理ショーが始まった。
否、正確には「阿笠博士のフリをしたコナン君の」だけど。
最初にその光景を見た時は目を疑った。
事件現場にいた誰もが、阿笠博士の推理を賞賛し、無事に犯人も捕まった。
でも私には見えてた。
コナン君が蝶ネクタイをマイクのように構えて、阿笠博士の後ろに隠れて推理を話している姿を。
普通の人には絶対見えなかっただろうけど、生憎私は普通とは変わったスキルを持ってる。
【ホークアイ】
脳内で自分の視点を俯瞰に変える能力。
私は、たとえ自分が正面を向いていても自分の後ろにいる人やその行動が分かる。
そして、ある程度の仕切り壁なら、壁の向こうが見えるのだ。
もちろん視野や高さに限界はあるし、天井と仕切りがくっついていれば論外だが、それは余談として。
そのスキルがある私には、阿笠博士の向こうに隠れてる彼の姿なんて丸見えだった。
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