短編&リクエスト
□◯◯しないと出られない部屋
3ページ/5ページ
【コスチュームプレイしないと出られない部屋】
「『更衣室にある服に着替えろ』ですって、安室さん」
「男女別に設置してるあたり用意周到ですね」
「変なコスプレじゃなければ…まぁいっか」
「外に出るためならこれくらいは」
そう言って各々更衣室に入る。
先に出てきたのは安室だった。
「◇◇さん着替え終わりましたか?」
「…着たんだから扉開きませんか外でなきゃダメですか」
「残念ながら開いていません」
おそるおそる更衣室から顔を覗かせると、そこには白衣を着て眼鏡をかけた安室の姿が。
「なんで安室さんそんなにカッコいいんですかヤダ見られたくない!」
「早く見た…いえ、出たいので観念してください」
「今見たいって言いかけましたね…?」
安室が、更衣室から少し見えていた◇◇の手を勢いよく引っ張る。
悲鳴をあげて出てきたその姿は
「学生服…ですね」
「年齢考えてほしい恥ずかしい早く着替えたい…」
「僕が白衣だったのでナース服かと思いましたが…これはこれで」
「お願いです安室さん…あんまり見ないで…」
「しゃがみこんで両手で体を隠しながら真っ赤な顔で上目遣い、大変可愛らしいです」
「そんな解説して欲しいんじゃないんです!」
「ですが着替えたというのに扉は開きませんね。早く帰ってその格好の◇◇さんを食べたいんですが」
「!?こんな格好のまま帰りませんからね!」
安室は開かない扉を少し調べると、すぐに戻ってきた。
「おや◯◯さん、またですか?保健室はサボる場所じゃありませんよ」
「…はい?」
「あぁ、でも今日は本当に調子が悪いのかな?顔が真っ赤になっていますね」
安室の手がすっと◇◇の頬を撫でるとさらに赤みが増した。
「ちょっ…」
「恐らくこういうことですよ。着替えるだけのコスプレではなく、コスチュームに合ったプレイということです」
「えぇ!?」
「さ、ひとまずベッドで休んでください」
いかにも保健室にありそうなベッドに誘導される。
先程までは存在しなかったハズの物がいつ登場したかは不明だ。
◇◇は動きづらい制服のままベッドに入る。
「あむ…ろ先生、ただの貧血なので少し休めば大丈夫です」
「…しかし顔が赤いですね。熱があるかもしれない」
コツンと額を合わせて体温を計る。
予想しない至近距離に思わず目をぎゅっと閉じると、額に口付けがおりてきた。
「ひゃっ…」
「早くよくなるおまじないです。ゆっくり休んでくださいね」
扉からガチャっと音がする。
どうやら外に出られるようだ。
「やっと終わったぁ…」
「とりあえずその制服は着て帰りましょう」
「絶対いやです!」
「ですが先ほどの更衣室は消えてますよ?」
「!?」
「さ、行きましょうか」
『◯◯しないと出られない部屋(裏有)』へ続く
.