第2章
□第34話
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「で。あんな男に告白されて貴女は喜んでいると」
「恥ずかしかっただけなんですってば!」
「そもそも他人に別れろと言われるくらいで揺れてしまう程、僕は貴女に不誠実ですか」
「ち、ちが…ごめんなさい…」
私の自宅へ戻り、早々にお説教タイム開始。
警察官の取り調べってこんな感じなんだろうか。
安室さん警察官だし。
「いつも安室さんに頼りきりですし…」
「好きな女性を甘やかさないで、一体誰にしろと言うんです」
「そ、そうですね」
「そもそも、頼ってはいけない友人は居ないとか言っておきながら付き合い出した途端貴女から頼られることが減りました」
「え」
「以前は頭を撫でれば甘えて擦り寄ってきたのに、今じゃ恥ずかしがって逃げるばかりです」
「う…」
「それなら友人に戻れば貴女は甘えてくれるんですか?残念ですが今更友人という立場で満足なんて出来ません」
「ぅー…」
「頼り甲斐がないような小さい男でありたくない。甘えてくれる程嬉しいものです」
「(プライド高いもんね…)」
「でも貴女が甘えてこないから僕が甘やかすんです。分かりましたか?」
「…はい」
「今後不安なことがあったら迷わず僕に言って下さい。貴女を守るのは僕の特権でしょう?」
まさか彼を女の子だと思って勘違いしてましたとは言えず。
そんなこと言えば今の話がもう一度繰り返される気がした。
でも今回のことで安室さんの気持ちがすごく伝わってきた。
私は、素敵な人に愛された幸せものだ。
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おまけ。
「それにしても、安室さんのことだからこんなに心配になるんでしょうか…」
いつもならここまで情緒不安定になることはない。
無駄に素直で前向きなのが取り柄だと思っていた。
「…素直さは戻ってきましたね。今の言葉はなかなか刺さりました」
「うーん…?」
「まぁ、不安になったのは心が弱ってたからでしょう。もうすぐですよね?」
そう言って彼の手が私の下腹部を撫でた。
あ…。
「…なんで知ってるんですか」
「当然でしょう?」
「怖…」
実は体調に合わせて食事を作ってくれていることが後日判明した。
確かに期間中は彼が料理してくれることが多く、痛みは今までより軽く感じてはいた。
彼が居れば病院いらずじゃなかろうか…怖…。
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