第2章

□第31話
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「こっち片付いたらすぐ向かうさかい先に行って待っとけや!」



平次君が和葉ちゃんにかけた電話を切る。

これでひとまず彼女たちがポアロに来ることはないだろう。

イルミネーションを楽しみにしてる和葉ちゃんの気持ちを考えた平次君を褒めてあげる。

返ってきたのはため息だったけど。

現場に到着した目暮警部と高木刑事に状況を説明した。



「オイ工藤…何者やあの男?ただの喫茶店の店員とちゃうやろ?」

「あぁ、あの人は…」



自分の話をされていることが分かったのか、安室さんはコナン君に向かって内緒のポーズを取った。

随分可愛い29歳である…。



「た、探偵だよ。小五郎のおっちゃんに弟子入りしてたぜ?」

「なんやあのボケナスの弟子かいな。しょーもな…。しかし随分頭のキレる兄ちゃんやな。◇◇さんとも仲ええみたいやし」

「彼氏だからな」

「なんやて!?」



驚愕な表情で勢いよく平次君がコッチを見た。

瞳孔開いててちょっと怖いので苦笑いを返しておく。

ちょうどそのとき、事情聴取されていた被害者の友人が声を荒げた。



「あのよー…さっきから俺らばっかり疑ってるけど」

「外部犯ってことはないんですか?」

「それはあり得ないかと。あの男性が刺されて大声を出された直後、私は扉の前に陣取り何人たりとも店外に出さぬよう警戒しておりましたので」

「夜目が利くんやなぁ」

「いえ、ちょうどこの携帯で電…音楽を聴いておりましたが故にわずかながらの光源がありそれで…」

「電…音楽?」

「おんがく…?」



違う、彼の携帯の画面は電話が繋がってる状態だ。

私が突然話に入ったことで見知らぬ彼がこちらを見た。

何か?と聞かれたので、すみませんと言って視線を逸らす。

彼は和田進一さんというらしい。

私からすれば嘘をついている彼が怪しいが、そもそも被害者と繋がりのない彼があんなことするとは思えない。

そわそわしていたら、安室さんが小声で話しかけてきた。



「彼がなにか?」

「えっと…あの人音楽聴いてるんじゃなくてずっと誰かと電話してるみたいで」

「なるほど。何故それを誤魔化しているのかは謎ですが、彼は犯人ではないでしょう」

「えっ、犯人が分かったんですか?」



秋風に

たなびく雲のたえ間より

もれ出づる月のかげのさやけさ



「…えぇ、たった今分かりました」



安室さん、コナン君、平次君、三人の推理ショーが始まった。

バンドスタジオや波土さんのときも思ったけど、名探偵が三人も揃うと豪華だ。

気になるのは和田進一という男性。

コナン君も気付いたみたいだけど、彼は何をしてるんだろうか?





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