第2章
□第28話
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ASACA RUM
最近コナン君と赤井さんがこの名前について調べてることは知ってた。
そこへなんの因果かミュージシャンの波土が出す新曲が『ASACA』だと知った私たちは、園子ちゃんにリハーサル会場へ連れていってもらうことになった。
仕事が終わってから向かうと、そこには安室さんと梓ちゃんがいた。
これはとんでもない面々が揃ってしまった…。
会場に入った私に気付いた安室さんが声をかけてくる。
「驚きました。◇◇さんもいらっしゃったんですね」
「安室さん梓ちゃん、こんにちは」
「驚いたといえば、あなたも来ていたんですね…沖矢昴さん?」
「えーっと…あなたは確か、宅配業者の方ですよね?」
「え、えぇ…まぁ」
こう見ると沖矢さんって天然キャラに見えてくる。
コナン君が梓ちゃんをずっと睨んでるけど何かあるんだろうか?
そう思っていたら、梓ちゃんは自分もギターが好きだという話をしている。
おかしい、だって先日は触ったこともないって言ってたのに。
コナン君の顔が一層険しくなった。
そうか…彼女は
安室さんと談笑していた沖矢さんに、コナン君がこっそり話しかける。
彼をここに長居させてはいけない。
その様子を観察していたら、梓ちゃん…もといベルモットが近づいてきた。
彼女に下手な芝居は逆効果だ、嘘は見破られる。
「◇◇さんも波土さんのファンだったの?」
「ううん、今日は園子ちゃんに誘われただけだよ」
「そうなんだ!ところで、◇◇さんいつもとメイク変えてます?」
「え、何も変えてないけど…何かヘン?」
「目元がすごくキラキラしてるから…ホラ」
そういうと梓ちゃんの手が私の顔にゆっくり伸びてきた。
ベルモットの意図が分からず首をかしげていると、後ろからぐいっと引っ張られる。
「照明の当たり具合でそう見えただけでしょう。気にすることありませんよ」
「あ、安室さん」
「…そっか!ごめんなさい◇◇さん気にしないで」
わけが分からず混乱していると、沖矢さんとコナン君に呼ばれた。
「◇◇さん、昴さんも残念がってるけど帰ろ!」
「仕事帰りに寄って頂いたのにすみません」
「あ、いえ。昴さんがそれでいいなら、帰りましょうか」
一瞬、私を引っ張った安室さんの手に力が篭った気がした。
しかし次の瞬間、会場の扉を開けた男性が悲鳴をあげる。
きゃあああああああ
みんなで中を見たら、波土さんが首を吊って亡くなっていた。
コナン君、安室さん、沖矢さんが中へと駆け出していく。
とっさに追いかけようとした私と蘭ちゃんを、梓ちゃんが止めた。
「ダメよエンジェル。あなたは入ってはダメ。この血塗られたステージには相応しくないわ」
「エンジェル…?」
「あ、ホラ!蘭ちゃんって天真爛漫だし」
「天使ん…ダジャレ?」
ベルモットにとって蘭ちゃんは何か特別なのか?
エンジェルと呼んだ真意は分からないが、今ここでそれを考えても仕方ない。
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