第1章

□第4話
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案の定、気付けば私も安室さんの車に乗っていた。

運転席にはもちろん安室さん、助手席に樫塚さん、後部座席に毛利さん、私、蘭ちゃん、蘭ちゃんの膝の上にはコナン君

どうみても定員オーバーだ、これじゃ私らが警察に捕まるよ。

でも気にしてるのは私だけっぽい。

コナン君をジト目で見たけど、イタズラが成功した子どもみたいな顔してる。

いや見た目は子どもなんだけども。



樫塚さんのマンションへ到着

皆で玄関まで見送ったところで、コナン君がトイレに行きたいと言い出した。

樫塚さんのご好意に甘えて、全員部屋に上がらせていただく。

玄関に入った途端、もわりと香るイヤな臭い

でもそれを感じたのは一瞬で、どこかから流れてきたにおいだろうと気にしないことにした。



リビングへ入り、テレビでは既に今日の事件がニュースになっていた。

蘭ちゃんが慌てて携帯の電源を入れると、すぐ着信が鳴る。

相手はお友達だったみたいだけど、電波の入りが悪いらしく安室さんが盗聴器が仕掛けられてる可能性に気づく。

盗聴器を探すため、樫塚さんが部屋を片付けてくるといって他の部屋へ。

しかし、待てども彼女が一向に帰ってくる気配はない。

仕方なく、先に盗聴器を探すことになった。



「申し訳ありませんが、蘭さんは僕が探す部屋の中央で携帯に入っている音楽を最大音量で流してください。◇◇さんは、見つけた盗聴器をこの袋の中へ。指紋が付かないように注意してくださいね」

「は、はい」



コナン君、私を連れてきておいて放置ってどういうこと?

まさか安室さんの手伝いをさせるために連れてきたわけじゃないだろうし。

一応ホークアイを使って部屋全体をずっと見渡してるけど、これといって気になるものもない。

ていうかトイレ長くない?

どうせトイレなんて捜査の口実なのは分かってるけど。

軽く拗ねていたら毛利さんの驚いた声が聞こえた。



「なんだこの部屋!?かなり臭うぞ」

「何なのこの臭い!?」

「この臭い…さっきも」

「◇◇さんも気付いていましたか」

「玄関に入ったときに一瞬嗅いだ臭いだと思います。でもこんなに酷くなかった」

「この部屋にも盗聴器が仕掛けられているようですね」



この部屋にずっと居るのはなかなか辛いものがある。

早く見つけて外へ出たい。

安室さんがベッド下にあるものを見つけ、毛利さんがその怪しいスーツケースを引っ張り出す。

臭いはこのケースから来てるみたい。

毛利さんが開けてみると



「ひっ!?」

「きゃああああああ!?」



スーツケースの中には男性の遺体

思わず私と蘭ちゃんが悲鳴を上げる。




盗聴器はスーツケースの中に仕掛けられていて、まずは樫塚さんに話を聞いてみようということになったが



「しかし彼女ならもうここには居ないかも」

「え!?」

「さっき玄関を通ったときに彼女のブーツはありませんでしたから」

「あ、私も気付きました。シューズボックスにしまったのかなと思ったんですけど…って、あれ!?コナン君の靴も無くなってる!?」

「嘘!?」

「えぇ。逃げた彼女を追って行ったか、連れ去られたか」



それを聞いた蘭ちゃんが大慌てでコナン君に電話をかけようとするが、それより先に樫塚さんから毛利さん宛にメールが届いた。

メールには、眠っているコナン君の画像が添付されてる。

やはり、この遺体の男を殺したのは樫塚さんなのか?

でも、あのコナン君がやすやすと連れ去られるかな?

いや余計なこと考えてる場合じゃない。

コナン君を探さなきゃ!





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