第2章
□第32話
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しばらくして皆が戻ってくると、その手にはケーキが一つ。
確かに見た目は似てるけど…
「うーん。卵を多く使ったケーキの生地ってだいたいこんな色だけどね」
「クリームも、同じような量を同じように塗れば見た目は似るよね?」
「じゃあ盗作じゃないんですか?」
「だと思うけど…いただきます」
みんなで一口ずつ食べてみるが、これは…
「味は全く別物ね」
「うん。私は安室さんのケーキの方が好きかな」
「ポアロのケーキのほうがずっと美味しい!」
子どもたちが安室さんのケーキを食べたいが為、張り込みやらカメラを仕掛けるやら討論していた。
解決策を思いついたという安室さんに任せるかと思いきや、コナン君の表情は晴れない。
これは謎が解けるまで諦めることは無さそうだ。
「そういえば、◇◇姉ちゃんは安室の兄ちゃんのケーキ食ったことあんのか?」
「彼女には、家で試作してるときに何度か味見してもらったんだ」
「えー!?◇◇お姉さん、安室さんのお家に行ったことあるのー!?」
「怪しいですねぇ…お二人はどういう関係なんですか!?」
子どもたちの興味がこっちに移り出した。
いつも元気だな…と遠い目をしていたらコナン君が説明してくれた。
「付き合ってんだから家にくらい行くんじゃねーか?」
「「「えー!?」」」
「そんなに意外かい?僕と彼女が恋人なのは」
「だって前に『安室さんのこと好きなの?』って訊いたら、『顔が良い人は信用出来ない』って◇◇お姉さん言ってたもん!」
そういやそんな事言ってたな、なんてコナン君は呑気に返してる。
安室さんが物凄い怖い笑顔でこっちを見てるのですーっと目を逸らしておいた。
ひとまず今日は解散ということで私も自宅に戻ることにした。
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