第1章
□第15話
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随分遅くなってしまった。
先輩が奥さんの出産のために急遽会社を抜けたから結果残業になってしまった。
とはいえ無事に元気な子が生まれた報告は嬉しかったし、会社に戻るという先輩に「今日くらい奥さんについててあげてください!」と言ったのは私だ。
遠回りになるけどなるべく明るい道を歩いていたら、目の前で人が倒れていた。
ひっと声を上げたのも一瞬、すぐその女性に駆け寄ると救急車が来た。
誰かが呼んだんだろうか?
ホークアイで調べても、周りに人がいる様子はない。
到着した救急車に同乗して、病院についたところで高木刑事が来た。
簡単に事情を説明したところで、今日はもう遅いからとマンションまで送ってもらう。
また明日事情聴取をすることになった。
残業疲れもあり、お風呂に入ってそのまま布団にダイブ。
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渋谷夏子が何者かに階段から突き落とされた。
救急車を呼び様子を伺っていたら、たまたまそこに通りかかったのは◇◇さん。
真っ青な顔で倒れている渋谷夏子にかけよると、丁度到着した救急車に乗っていった。
それを見届けてから僕も車を発進させる。
「たまたま通りかかっただけなのに、彼女も相変わらず不運なものね」
「知っているんですか?彼女のことを」
「直接話したことはないけど。面白いじゃない?」
「そうですか?僕にはただの一般人に見えますが」
「嘘ばっかり。気付いているんでしょ?あの子、倒れてる女性から一瞬たりとも目線を外さなかったわ」
確かにそれには気付いていた。
普通であれば周りに誰かいないか見回したりするものだろう。
ましてや自分が呼んでない救急車が来たのだ。
誰か近くに居ると考えるのが自然。
しかも血を流して倒れてる女性を見て真っ青になってるのに、目線はずっと被害者に向けたまま。
以前から彼女には不自然な行動が多かったが、その原因がベルモットの気を引きつけてるとでもいうのだろうか。
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