テテジミ

□恋の手解き 前編 R18
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改めて、こんなものを受け入れることはできないし、できるとしても相当な時間を要さないと無理だ、と心の中で思う。

普段自分でする時と同じように、根本から先端までゆっくりと扱いて往復させる。テヒョンはそのたびに身体を震わせて、低くて掠れた声を出した。

感度がいいのかな。可愛い。
主導権を握っていることが楽しくて、右手で性器を弄りながら反対の手でさらさらな髪の毛を撫でた。
テヒョンが顔を上げて、僕の頬のあたりを舐める。キスでもない、動物のような仕草に思わず笑った。

「ジ……ジミナ……」
「……ん?」
「も……もっと強く、握って」
「……うん……これくらい?」
「ん……もっと……」
「……こ、これくらい? 痛くない?」
「全然……んー……」
「え......ちょっと待って」

要領を得ない返事に、少し焦る。
身体を起こして、テヒョンを下にして自分の右手が動かしやすいような体勢を取った。
も、もう結構強めに握ってるんだけど……。
このデリケートなものを扱うには十分すぎるくらいの力で。
こわごわと更に力を込めると、テヒョンは焦れたように身体を起こして、「これくらい」と僕の手の上からぎゅううと自分自身を握り込んだ。

ひぃ、と心の中で声が出た。
同時に、自分の息子がシュンっと縮んだ。
強すぎるんじゃないか、力が。
素手でリンゴでも潰す気か、というくらいの力に僕の方が怖くなる。

「こっ……こ、こんな力でお前いつもしてるの……っ?」
「え……うん、……ああ、気持ちいい……」
「つ、潰れない……っ?」

怖い、こわいこわい、こわい。
一緒に握り込まれている僕の手も潰れそうだ。
ぎりぎりと万力で締め上げるような力に、テヒョンの性器もみるみるうちに真っ赤になっていく。特に先端。根元から渾身の力で扱き上げるたびに、破裂してしまうんじゃないかと、とにかく怖い。
僕の気持ちとは裏腹に、テヒョンは男らしい喘ぎ声をあげて、気持ちよさそうに喉を鳴らしている。

マゾなんだろうか。
それとも、僕の常識が違うんだろうか。
他のみんなは、こんな強い力でオナニーするんだろうか。比較対象が自分しかないから分からない。
なまじ自分も同じ性で、同じものを持っているだけに、自分の方が痛い気分になってくる。

「テ......テヒョンア、き、気持ちいいの......?」
「......うん......すごく......」
「そ......そう......」

もはや、僕の愛撫ではなくテヒョンの自慰だ。
ぎゅうぎゅうと僕の手ごと搾り取るような動きは、しばらくするとテヒョンのい「ジミナ」という熱っぽい声で中断された。
声が上がって、いつもの低い声が掠れている。半開きの目元が赤い。
テヒョンは、セックスの時にこんな顔をするんだ。
思わず見惚れていると、テヒョンは身体を起こして僕の胸のあたりに手を当てた。
そしてもう一度、ジミナ、と掠れた声で僕の名前を呼んで、するりと手を僕の下半身に伸ばした。

「……俺も、してあげる」
「え、……え、遠慮する、いいよ、大丈夫」
「俺だけ気持ちよくなってても恥ずかしいし……」
「ほ……ほんとに、ほんとにいいって……」

こんな万力オナニーに慣れてる手に握られたくない。
テヒョンの力強い自慰を目の当たりにして、可愛い僕の性器は小さく縮こまってしまっている。テヒョンは、あれ、という顔をしてから、「ジミナも緊張してるの?」と少し嬉しそうに笑った。

「俺も緊張してるから、気にしないで」

違う、緊張してるわけじゃない。
ただ怖いだけなんだ。
テヒョンの手首を掴んで無言の抵抗を試みるが、そんなものが敵う相手じゃない。力はテヒョンの方が強いし、体勢的にも僕の方が不利だ。
あっという間に僕の可愛く縮こまっている性器はテヒョンの大きな手に握り込まれて、そのままめちゃくちゃな力で上下に擦られた。

「い……ッ!」

予想通り、いや、それ以上の衝撃だった。
そんなことをるつもりはなかったのに、これはもう本能だろう。防衛本能。二度目の。
気づけば僕は「あーーーー!」という悲鳴をあげて、またテヒョンの横っ面を張り倒していた。




後編に続きます。


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