novel3

□お前の居場所
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闇を払い、世界には無事に平穏が訪れた。
これからはノクティスが国を復興し今後の未来を築いていく。
プロンプトはその姿を近くで見ていられる事が嬉しく、顔が弛むのが止まらない。
いつも、玉座の間に訪れる時に引き締まった顔をしなければとは思っているのだが、どうもそれは慣れなくてたまに口角をひきつらせる。
イグニスには苦笑を浮かべられ、グラディオラスにも鼻で笑われてしまう。
流石にそれはダメだと思い、今日こそはと扉の前で己の頬を両手で叩く。
気を引き締めるとよしっと拳をつくる。
こうしてたまに呼び出される理由は毎回プロンプトにしか頼めない仕事があるから。
今日もきっとそうだろう。二人の時間が無いのは寂しいが信頼してくれて頼ってくれている事が何よりも嬉しくて。
そう考えると再び顔が弛みかけ、ダメだダメだと首を左右に振りノックをして「プロンプト入ります!」と一言。
正式なやり方など知らない。毎回適当なそれで入室すると、珍しくそこにはノクティスのみ。
いつもならイグニスかグラディオラスがいるもの。
どうしたのかと首を捻りつつ扉を閉めて奥へと進むとノクティスが真剣な顔付きで手招きしてくる。
「もっと近くに来てくれ。話がある」
「あ、はい」
玉座という場所。仕事上の接触。
堅苦しく敬語を遣ってしまうが特にお互い気にしていない。
何か耳打ちしたい事でもあるのかと言われるがままに階段を昇る。
目の前まで行くと間近で見る真剣な顔付きに胸が高鳴ってしまう。
久々に見た顔は凛々しく格好良い。
見とれてしまいかけた時、ノクティスの手がプロンプトの手首を掴む。
何事かと目を丸くすれば空いた片手で己の膝を叩き笑みを浮かべたノクティス。
「ここ、座れ」
「…………は?」
「座れ」
先程までの真剣な顔付きはどこへやら。強制的なその言葉に対応できず、ただじっと立ち止まったまま。
焦れたノクティスは掴んだ腕を無理矢理引き寄せプロンプトを膝へと乗せてしまう。
横抱きの体勢のそれは恥ずかしく顔が熱くなる。
「っ、なんで……」
「そろそろお前不足で死にそうだから」
耳元に寄せられる唇が吐息と共に言葉を吹き込む。
昔と違い低さの増した声はプロンプトの躯を熱くさせるには充分。
久々の密着。耳への刺激。
太陽が昇ってからは全てが初めての事。下半身に熱が溜まりそうでプロンプトは膝に置いた手に力をこめる。
だが、それを見逃す筈も無かったノクティスは耳へチュッと口付けた。
「ヤバそう?抜いてやろうか?」
「っ、ダメ……」
「最後までしねーよ」
首を左右に振ってもそれを受け入れるつもりのないノクティスは耳へ舌先を這わす。
柔らかく熱い舌先がゆっくりと味わっているがプロンプトはそれだけでビクビクと身を震わせる。
「ん……ぁ……」
「気持ちいいか?」
「んんっ」
プロンプトの膝の上の手に己の手を重ねてからノクティス手はズボン越しの反応しかけたそこへ。
やわやわと揉み、指先で形を確認する。
この大人になってからは初めての接触。
このままでは流されてしまう。そう思ってはいるがプロンプトは己の欲望は止められない。
重い両腕をノクティスの首へと絡め己の欲望を囁く。

「……此処でいいから抱いて」


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