novel3

□休憩中に
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「オレ……やっぱりノクトの事、好きだなぁ」
学校の昼休憩。僅かな雲が流れるだけという晴天の青空を見上げながらプロンプトは言った。
コンクリートの地面に座り両足を広げて投げ出し、両手は大きく斜め後ろにつき開放的な姿。
ノクティスが人目があるのを好まないので立ち入り禁止となっているそこに晴れの日にたまにコッソリ侵入するのだが、ただプロンプト自身もノクティスと秘密の時間を共有できるのが好きなのだ。
今日もいつもと変わりなく二人で過ごしていたが、ノクティスが楽しそうに先日城に戻ったときにあった側付きのイグニスとグラディオラスの話や、思っていたよりも父であるレギス陛下の容態が良くて安心したと微笑む姿にプロンプトは思わず漏らした。
楽しく笑う姿もかけがえのない肉親を心配する優しさ。
全てが好きだと思う。
だが、それはただの友情では無い。友情では無くもっと深い──
「オレもお前の事すげー好きだわ」
プロンプトの言葉に一瞬目を見開いたが、直ぐにフッと笑い返事をしたノクティスは高校の入学式の時に再会した時のよう。
横目でそれを見たプロンプトは相手がそういった己のものとは違う感情だと判断すると嬉しいが残酷だと苦笑を浮かべかけたが、それを決して面には出さず笑顔を見せた。
「へへ……ありがとー」
「ん、まぁ知ってたけどな」
隣に座るノクティスの笑顔がプロンプトに近付く。
ドキリと心臓が高鳴った時には互いの唇が重なっていた。
突然の出来事に固まったプロンプトの腰を片手で抱き、もう片手で頭を固定したノクティスは角度を変えて何度も口付ける。
触れるだけのそれは次第に生々しくチュッチュッと音を立て現実味を出しだす。
ピクリと身を震わせたプロンプトは動揺し逃げようと身を捩ったが、ノクティスが触れるか触れないかのギリギリのところまで顔を離し問い掛けてきた。
「お前の言ってる事、こういう事だろ?」
「ちが……っ」
「お前、バレバレなんだよ」
「うそ……」
フッと笑ったノクティスの吐息がプロンプトの唇にかかる。
震えた唇に再びノクティスの唇が重なり隙間を舌先でなぞられた。
思わず閉じていた唇が開くと咥内に舌先が侵入し、ノクティスの舌がプロンプトの咥内の形を隅々まで確認するようになぞる。
溜まる唾液は嫌でも口端から溢れ出て顎まで伝う。
ノクティスの味が咥内に広がる。ノクティスの唾液が己の中を支配しようとする。
コレを飲み込めば自分の中にノクティスの一部が混ざるのだろうか、なんて考えるとプロンプトは抵抗なくそれを喉を鳴らして飲み込んだ。
「ん……っ」
上擦る声に笑んだノクティスは唇を離しもう逃げないであろうプロンプトの後頭部から手を滑らせ、自主的に外していたシャツの第一ボタンの隙間に指先を忍ばせ耳元に唇を寄せる。
息を吹き掛けるように囁く声は低く甘い。
誘惑に抗えずプロンプトはコクリと頷いた。

「なぁ、このまま授業サボっちまおうぜ」


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