novel1

□泡風呂
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グラディオラスの体格に合わせた湯船の広さは二人で暮らすようになった時に意識したもの。
先に湯船に腰を下ろすと片手を差し出し目の見えないイグニスに中に入るよう促す。
相変わらずの過保護っぷりにフッと笑みを漏らしたイグニスはその手を取りゆっくりと足を浸け腰を下ろす、が。
敢えて背は向けず正面からグラディオラスの膝に腰掛けた。
ピッタリと密着する肌。適度な体温が心地好くチュッと音を立てて口付ける。
「これならお前を近くで感じられるからな」
腰揺らしグラディオラスのまだ反応の無い自身を尻で擦ると息が詰まる気配を感じ、イグニスの両手がグラディオラスの後頭部へと回る。
指先が伸びた髪の隙間に絡みグッと引き寄せればどちらかともなく唇を重ねた。
お互いに唇を触れ合わせるだけだったのが合図もなく舌先同士を触れ出す。
ただ触れるだけだったそれは徐々に絡みだし、イグニスのそれをグラディオラスが甘噛みし吸い付く。
それだけで互いの腰が揺れ気持ちが高揚し熱くなっていった。
グラディオラスの手が腰を這い指先が尻を割るように撫でる。
「煽んじゃねぇよ……抱きたくなるだろ」
「抱けばいいだろう。俺はお前に抱かれたい」
耳元に吹き込まれたのは甘い誘惑。


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