運命の糸
□運命の糸 3
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入学式も終わり、帰る用意をしていると教室の入口からジェボムヒョンに声を掛けられた。
「ジニョン、ジェク。」
「ジェボムヒョン!どうしたの?」
「いや、一緒に帰ろうかと思ってさ。」
ジェボムヒョンと一緒に帰れる…。
僕は、すぐにカバンを持ってジェボムヒョンの所へ行こうとした瞬間隣から可愛らしい声とともに出て来た人がいた。
「ジェボム?この子がジニョン?」
誰だろう?
きれいな人だな…。
「ジニョン、お待たせ。ってジェボムヒョン?」
「おう!帰ろうぜ。」
ぼくは、わけもわからずジェボムヒョン達と一緒に帰る事になった。
「初めまして。マークです。」
「初めまして。ジニョンです。」
「おれは、ジェク。」
「あははは。ジェクって明るいね。」
「よく言われます。」
「マークは、俺のクラスメイトだよ。中学からの友達なんだ。」
「そうなんですね。」
「ジェボムヒョンにも友達がいたんだな。」
「おい!ジェク。どう言う意味だよ。」
「あははは!」
笑い合っている輪の中からマークさんは顔を出し再び話しかけて来た。
「ごめんね急に。」
「いえ。」
「前からジニョンに会いたいって言ってたのになかなか会わせてくれないから直接会いに来ちゃった。」
「前から?」
「うん。ジェボムがあまりにもかわいい。かわいいって言うからどんな子かな?って思ってね。」
「かわいいですか?」
「うん。めちゃくちゃかわいい。俺たち友達になろうよ。」
「友達ですか…?」
「うん。ダメかな?」
「いえ…。」
「じゃあ、友達になってくれる?」
「は…い…。」
「本当に!嬉しいな。」
なんて明るい人なんだろ。
とても、キレイな人だし。
それに、ジェボムヒョンのお友達に友達になろうなんて言われるのは嬉しいな。
クラッ
あれ?
まただ。
やっぱり、家に戻ったら早めに寝よう。
「おい、ジニョン。」
「はい?」
「具合でも、悪いのか?」
「い…いいえ。そんな事はないですけど?」
「そうか、ならいいんだ。」
はぁ〜。
あぶない。
ジェボムヒョンは、ぼくの小さな変化にもすぐ気付くんだ。
確かに、朝からあまり調子は良くなかったんだけど…。
あんまり心配かけないように気をつけないと。
せっかく、友達がたくさん出来たんだから。