運命の糸

□運命の糸 5
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その日は、なかなか寝付く事が出来なかった。

ジェボムヒョンが一緒の部屋で寝てくれるのはあの日以来だったから。

「ジニョン、いい加減に寝ろよ。」

「は…い…。」

起きてたのバレてたんだ。

でも、そんな僕もうとうととし始め眠りにつき始めた。


気持ちは、忘れようとしているのに頭と身体はしっかりと覚えていたようで夢の中にまで出て来た。




怖い…。

誰か…。

『やめ…っ…。』

『好きなんだ。ジニョンくん。』

『や…やめ…。』

気持ち悪い…。



「ジニョン!おい!ジニョン!」

「ジェボム…ヒョン…。」

「大丈夫か?だいぶうなされてたけど。」

「う…ん…。」

どうしよう…。

こわい…。


その時、何かを察知してくれたのかジェボムヒョンがベットに入って来た。

「なに…してるの?」

「ん?今日は、昔みたいに一緒に寝ようかと思ってさ。」

そう言うと、ジェボムヒョンは僕を抱きしめて頭と背中をポンポンとしてくれた。

やっぱり安心出来るな。

なんだかあの頃に戻ったみたいで、くすぐったい感じもするけど…。

だけど、こんな風にされても心地良いと思えるんだから…。

やっぱり、ジェボムヒョンの事好きだな…。

僕は、ジェボムヒョンの顔を見ながら無意識に唇を重ねてしまった。


やわらかい…。

心地いい…。

ずっとしていたい…。


ハッ

我に帰り慌てて唇を離した。

これじゃあ、あの人と同じじゃないか。

バツが悪くなりうつむいているとジェボムヒョンが優しい声で名前を呼んでくれた。

「ジニョン?」

慌ててジェボムヒョンを見て謝った。

「ごめんなさい。」

「なんで謝るんだ?」

「えっ?」

「俺は、嬉しかったよ。」

「ジェボム…ヒョン…。」

今度は、ジェボムヒョンから僕の唇に重なって来てくれた。

心地の良い中、僕はジェボムヒョンの腕の中で眠りについた。


そして次の日、僕は熱を出してしまい学校を休んだ。
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