運命の糸

□運命の糸 3
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あれから、ぼくは今までのようにジェボムヒョンにべったりくっつく事はやめた。

だって…また冷たくされたりしたらイヤだから。

それでも、ジェボムヒョンはふつうに話はしてくれるしあそんだりもしてくれる。

だけど…今までとはやっぱり違う感じがする。

少しさみしいけど…しょうがないよね。



『子供じゃないんだから…。』


あの言葉が…ひどく心に残ってる…から…。






中学生になるとますます世界は広いんだなと気付かされた。

こんな世界にジェボムヒョンが入ったらぼくなんか子供でしょうがなかっただろうな。


今となってはなんとなく理解出来るかも…。


小学校とは違いすごく大人っぽい人もいるし。

なんか、すごいな…。

「ジニョン!教室に行こうぜ。」

「うん!」


ガラッ


ジェクと教室に入ると中にいた人達が一斉にぼくたちの方を見た。


ザワザワ


ザワザワ


ん?

なんか変かな?

「ジェク?なんか付いてる?」

「いや。なにも付いてないよ。」

「なんか、みんな見てない?」

「気のせいだよ。」

そうかな?

席に着くまでの間、ずっと目で追われていた気がした。

「ジェク〜!ジニョン〜!」

「おう!ヨンジェお前も同じクラスか?」

「うん。ヨロシクね。」

ジロジロ

ザワザワ



「ねぇ?ジェク。やっぱりなんか見られてる気がするんだけど。」

「そうか?おれがカッコいいからかな。」

「あはははは。違うよ。みんなジニョンの事を見てるんだよ。」

「なんで?やっぱりなにか付いてるの?」

「違うよ。ジニョンがかわいいからだよ。」

「はぁ〜?」

「知らなかった?小学校の時もジニョン人気あったんだよ。かわいいって。」

「うそ!」

「本当だよ。さっきクラスの他の子も言ってたもん。」

かわいいって、ぼく男だよ?

なんで?


「それ、おれも聞いた事あるぜ。」

「うそ!」

「こんな事で嘘つくかよ。」

「こめん。」

「それにしても、やっぱりジニョンは自覚なかったか。」

「自覚って…。」

「元々、ジニョンはあまり周りを見てなかったからな。」

「そうかな?」

「でも、本当の話だからね。みんなジニョンと友達になりたがってたもん。」

それは、ちょっと嬉しいかも。

「おいおい、ジニョンと友達になりたかったらおれを通せよな。」

「なんで?」

「なんでって、おれジニョンの事まかされてるし。」

「ふ〜ん。そうなの?」

うっ、ジェクの視線がイタイ。

まぁ、しょうがない。


「ん?…そうみたいだね。」

「でも、ぼくとはもう友達だよね。」

「もちろん。」

確かに、あれからジェクは僕の事を助けてくれてる。

だからかな?

周りに気付かなかったのって。
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