turuth
□turuth 5
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ジニョンに過去の話をするのは簡単な事かもしれない。
だけど…。
記憶がないのなら最初からやり直してもいいのではないだろうか?
あの時、ジニョンを苦しめたのは俺だ。
そんな俺が言う言葉じゃないかもしれないけれど今度は幸せになって欲しいんだ。
だから、もう一度2人で…。
最初から、やり直そう。
俺は、敢えてジニョンには過去の事を話すのをやめた。
「ジニョンは、なんで俺が気になるんだ?」
「わかりません。ただ、あなたを見てしまうんです。」
「俺も同じだよ。」
「なんで…?」
「なぁ、ジニョン。たまにこうして会わないか?」
「なっ…何言ってるんですか?」
「何って、俺はジニョンに会いたいんだけど?」
「だって…あなたは有名人ですよ。なのにそんな事…。」
「それでも、ジニョンといる時は普通の人だよ。」
本当にそうだ。
俺は、確かに有名になったけどジニョンの前ではただの男だ。
ジニョンの事が大好きな1人の男なんだ。
その気持ちが、ジニョンに伝わってくれればいいのに…なんてやっぱり都合が良すぎるかな?
「あのっ!そう言ってもらえるのはとても嬉しいんですけど…僕1人では決められません。」
「どう言う事だ?」
「僕に過去の記憶が無い事はご存知ですよね。」
「ああ。」
「僕は、マークヒョンとジェクに助けられて今こうして普通の生活が出来るようになったんです。だから…2人に話して許してもらわないとあなたと2人で会うなんて事は出来ません。」
確かにそうだよな。
俺のせいでジニョンは記憶を失くしたんだ。
あの2人のおかげで笑顔のジニョンにまた会えたんだもんな。
マークには、『ジニョンに近づく事を許して欲しい』と伝えたけどその事はジニョンは知らないもんな。
「わかった。じゃあ、マークとジェクに話して見て許してもらえたらまた会ってくれるか?」
「はい…。」