パパとセンセイ

□パパとセンセイ 5
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なんだろう?この緊張感は…。

一緒に帰って来て、エレベーターに乗ったまでは良かった。

ジェボムさんが自分の階を押し僕が自分の階を押そうとした瞬間手を止められた。

「ジニョン?話したい事があるんだ。うちに寄ってくれる?」

「話したい事?」

「いいかな?」

「はい…。」

そうして、今に至るわけで…。

話したい事ってなんだろう?

やっぱり、ユギョムくんの事迷惑だって言われるのかな?

それとも、やっぱり付き合えないとか…。



ドキドキする…。


部屋に入りソファーに座って待った。

ジェボムさんは座ったまま何も話さない…。



この沈黙、辛すぎる!



「あの…ジェボムさん?話って…。」

「ああ。あの…。えーっと…。」

「ユギョムくんの事ですか?」

「えっ?ユギョム?」

「違うんですか?」

「ああ。」

「じゃあ…。」

「…あの!もしジニョンが良かったら俺とユギョムと一緒に住んでもらえませんか?」

「えっ?」

ジェボムさん、今なんて言った?

一緒に住もうって言ってくれたの?

そりゃ、そう出来たらうれしいけど…本気なのかな?

「ジェボムさん?本気で言ってます?」

「もちろん。」

どうしよう…嬉しすぎる…。

でも、いいのかな?

「ジェボムさん?僕の事迷惑じゃないですか?」

「えっ?なんで?」

「この前、ユギョムくんが僕の家に来ようとしたら止めたって…。」

「ああ、あれはジニョンが疲れてるだろうと思って。」

「僕の事を気遣ってくれたんですか?」

「ユギョムの事で迷惑を掛けてるのはこっちだと思うし。」

「そんな事ないです。」

「で、どうしますか?」

答えはとうに決まってる。

この2人とずっと一緒にいたい。

「ジェボムさん。宜しくお願い致します。」

「本当に?良かった〜。」

「パパ〜!お着替え終わったよ。」

「おっ!偉いなユギョム。1人で出来たのか?」

「うん!ジニョセンセイ。どうしたの?おかおまっかだよ。」

「ユギョム、あのな。お話があるんだけど聞いてくれるか?」

「うん!」

「実は、ジニョンセンセイにここに一緒に住んでもらおうかと思うんだけどどうかな?」

「ジニョセンセイといっしょにすむの?」

「そう。嫌か?」

「いやじゃない!ジニョセンセイといっしょがいい!」

「ユギョムくん…。」

「だって…。ジニョン。俺達からも宜しくお願いします。」

僕は、嬉しすぎて思わず泣いてしまった。

「ジニョセンセイ?どうしたの?」

「ユギョムくん。ありがとう。これからも宜しくね。」

「ユギョム、ジニョンセンセイ嬉しくて泣いてるんだよ。」

「うれしくてもなくの?」

「そうだよ。」

「ジニョセンセイ?なかないで。」

僕は、ユギョムくんとジェボムさんの優しさが嬉しくてまた泣いてしまった。

大好きな人とその人の子供と一緒に暮らせるようになるなんて…。

それが、こんなに嬉しい事だったなんて2人に会わなければ知る事は出来なかっただろう。
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