パパとセンセイ

□パパとセンセイ 3
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ジェボムさんとのあの日以来、僕はジェボムさんの家によく行くようになった。

相変わらず、仕事が忙しいようで帰って来るのも遅くなる事が多かった。

今までの事を考えるとユギョムくんはとても寂しかったんだと思う。

最近では、僕の家に泊まる事も増えていた。



そんな穏やかな日常を壊される事になるとは…。



ある日、保育園でいつものように子供達を迎えていると聞き覚えのある声が聞こえた。

「いいか?ベム。変な人にはついていったらダメだからな。先生の言う事をちゃんと聞くんだぞ。」

「パパ、うるさい。」

「ベム?どうした?」

「もう、はやくいきなよ。」

ベム?

それにこの声って…もしかして…?

「ジニョセンセイ!おはようございます。」

「おはよう!ユギョムくん。」

「ジニョン?」

「あ〜!ジニョがいる。」

そう言うとベムは僕の所まで走って来て抱きついて来た。

「ジニョなんでここにいるの?」

「やっぱりベムだったんだ。ベムこそどうして?」

「ひっこしてきたから。」

引っ越し?

そんな話聞いてないぞ?

「ジニョア〜!なんでお前がここにいるんだ?」

「ジェク…朝からうるさい。」

「ジニョンセンセイ?お知り合いですか?」

「先生?ジニョン、先生やってるのか?」

「え〜っと、ヨンジェセンセイのクラスの子ですか?」

「はい。今日から通う事になったベンベンくんです。」

「今日から?」

「はい。」

「ジェク?僕は何も聞いてないよ?」

「え〜っと、ジニョンとりあえず仕事があるからまた後でな。」

そう言うとジェクは慌ただしく走って行った。

「ジニョセンセイ?」

「ああ、ゴメンね。」

「パパいっちゃった。」

「うそ!」

ジェクのせいで、ジェボムさんにいってらっしゃいって言えなかった。

「ユギョムくん、教室にお荷物置いておいで。」

「は〜い!」

「ジニョ?」

「ベム?大きくなったね。」

「ジニョ、センセイなの?」

「うん。ベムの隣のクラスだよ。」

「ぼくもジニョのところがいい。」

ベムは、僕に抱きつき離れようとはしなかった。

「ジニョンセンセイ?」

「ああ、ごめんなさい。ヨンジェセンセイ。」

「いえ。」

「ベムのお父さんとは同級生なんです。」

「そうなんですか?」

「何かあったら言ってください。」

「はい!」

とりあえず、後で遊ぼうと約束をしてベムをヨンジェセンセイに預けた。

なんか、大変な事になりそうな感じもするけど
今は、天使のような子供達の面倒をちゃんと見ないと。
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