GOT7 短編

□2人にしかわからない
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久しぶりの休暇にする事もなく、ソファーに座り本を読んでいるとマンネ3人組が近づいてきた。

「ねぇ、ジニョンヒョン、聞きたい事があるんだけど…。」

いつもなら、人の事など気にせずワーワー騒ぐ子達が今日はやけにしおらしい。

何か、相談事でもあるのかな?

「どうかした?」

「あのね、前から気になってたんだけど…。」

「うん。」

「ジニョンヒョンは、ジェボムヒョンのどこが良くて一緒にいるのかな?って…。」

「えっ?」

「だって、ジニョンヒョンは綺麗で可愛いくて頭も良くて優しいのになんでジェボムヒョンなのかな?って…。」

「何それ?」

「ジニョンヒョンなら、もっといい人いるんじゃないかな?って思ってさ。」

「・・・?」

「いや、ジェボムヒョンがどうって訳じゃないんだけど、何でかな?って気になっちゃって。」

まったくこの子達は、何かあったのかと心配したのに…。

「ジニョンヒョン?」

「教えてあげない!」

「え〜っ!なんで?」

「なんで?なんで?」

「どうして、そんな事が気になるのかな?」

「だって、あのジェボムヒョンですよ!」

「そうそう。」

「ちょっと待って、『あのジェボムヒョン』ってどう言う意味?」

「えっ?」

「だって、ジェボムヒョンっておじいちゃんみたいじゃん。」

「そうそう。ダサいし…。ふざけてばかりいるし…。」

「俺様みたいな所もあるし…。怖いし優しくないし…。」


すごい言われようだな。
こんなのヒョンが聞いたらショック受けるんじゃないかな?

「はぁ〜。本当、わかってないね。」

「何が?」

「ヒョンはメチャクチャカッコいいんだよ。」

「だから、どこが?」

「僕より頭良いし、優しいし、努力家でお仕事にも真剣に取組んでいて何事にも一生懸命なんだから。それに…。」

「そう言う風に思うのは、ジニョンヒョンだけだと思う。」

「いいんだよ。別にヒョンのカッコ良さを知っているのは僕だけで。」

「ジニョンヒョン、絶対損してるよ。」

「損なんかしてないよ。」

そんな風に、ジェボムヒョンの事を話しているジニョンヒョンはとても綺麗だった。

「ジニョンヒョン、愛されてるんだね。」

「…愛されてはないと思うよ。」

「えっ?何言ってんの?」

「ふふっ。僕がヒョンの事を愛してるからそれで良いんだよ。」

「よくないよ!」

「ユギョム?」

「そうだよ。愛されてないなら一緒にいたらダメだよ。」

「ベム?」

「ねぇ、ジニョンヒョン。ジェボムヒョンと別れたら?」

「ヨンジェ?」

「だって、こんなに思ってくれるジニョンヒョンを愛してくれないならそうした方がいいよ。」

「無理だよ。僕がヒョンから離れられないから。」

そう言ったジニョンヒョンはやっぱり綺麗だった。



ジニョンヒョンって、いつもはすごく自信がある感じなのになんでジェボムヒョンの事になると気弱になるのかな?

ジェボムヒョンだってジニョンヒョンの事愛してるに決まってるじゃん。

僕の大好きなジニョンヒョンが愛されない訳ないんだから…。



あれっ?
ジェボムヒョンの部屋の扉が少し開いてる。

もしかして、ジェボムヒョン聞いてたのかな?

「ジニョンヒョン?」

僕は、ジニョンヒョンにジェボムヒョンの部屋の扉が開いている事を教えてあげた。

「ごめん。ヒョンの所に行ってもいいかな?」

「え〜っ!」

「本当にごめんね。」

ジニョンヒョンは、ソファーから立ち上がりジェボムヒョンの部屋に向かった。



コンコン。


「ヒョン?入ってもいい?」

「・・・。」

返事はなかったが、部屋の扉を開けるとベッドの上でヘッドホンをして音楽を聴いているヒョンがいた。

部屋の中に入り、ヒョンの近くまで行くと僕に気づきヘッドホンを外した。

「ヒョン?」

「ジニョン。もっと自信持てって。」

「えっ?」

「俺に愛されてるって言う自信をな。」

「ヒョン…聞いてたんだ…。」

「聞こえたんだよ!」

あ〜ぁ、もうなんでこんなに優しいんだろう。

ヒョンに、抱きしめてもらいたいな…。

「本当に自信持ってもいいの?」

「まぁ、今更って感じもあるけどな。」

ヒョンは、僕の手を引いて抱きしめてくれた。


「どうして?どうしてヒョンは僕がして欲しい事がわかるの?」

「そりゃージニョンの態度や行動や仕草でわかるよ。」

「そうなの?僕ってそんなにわかりやすいの?」

「バ〜カ!みんながみんなわかるわけないだろう。」

「じゃあ、なんで…。」

「お前、何年一緒にいると思ってんだよ。俺だからわかるに決まってんだろう。」

ヒョンにそう言われて、僕はすごく嬉しかった。

ヒョンが言った通りだとするなら次は何をして欲しいかわかるかな?

そーっとヒョンの顔を覗いてみると、ヒョンがしょうがないなって顔して近づいてきた。

僕がして欲しかったキスをしてくれた。

やっぱりヒョンだな。

本当に、僕のして欲しい事がわかるんだ。

どうしよう…。

もっと色々として欲しくなる。

でも、ここはヒョンとヨンジェの部屋だし今はマンネ達もいるし…。

とりあえず、ヒョンから離れないと…。

そう思っているのに、ヒョンは僕を離してくれない。

「ヒョン、ごめん。部屋に戻る。」

「ジニョン?どうした。」

「ごめんね。」

「あ〜!そう言う事か。」

そう言うとヒョンは反転し、僕はヒョンの上に重なった。

「えっ?」

「ジニョンの部屋に行く?それとも出掛けるか?」

「ヒョン?」

「マンネ達を追い出すのも有りだな。」

「それは、ダメでしょう。」

「冗談だよ。」

***

ジニョンヒョンが、ジェボムヒョンの所に行ってから随分経つが戻って来ない。

僕達は、気になり部屋の様子を覗きに行った。

「ねぇ、こんな事して怒られないかな?」

「大丈夫だよ。覗くだけだから。」

そーっと扉を開けて覗いてみるとジェボムヒョンの上にジニョンヒョンが重なっていた。

2人はとても楽しそうに話しをしている。

「腹減ったな。何か食いに行くか?」

ご飯?

いいな〜!僕もお腹が空いたな。

その時、ヨンジェヒョンのお腹が鳴った。

その音に気づきジニョンヒョンとジェボムヒョンが扉の方を見て僕達がいるのに気づいた。

「何してるの?」

「え〜っと…あの…。」

「ふふっ。ヒョン…。」

「わかったよ。お前達も一緒に行くか?」

「いいの?」

「じゃあ、用意しろ。」

『は〜い!』

あれっ?そう言えばジニョンヒョン何も言ってないのになんでジェボムヒョンわかったんだろう?



僕達は、出掛ける準備を終えて玄関に行くとヒョン達が待っていてくれた。

みんなで外に出てお店に向かった。

お店に着くと店員さんが個室に案内してくれた。

メニューを手渡され料理を選び注文しているとジニョンヒョンは何も頼まなかった。
かわりに、ジェボムヒョンがたくさん頼んでいた。

料理が出てきて食べ始めるとヒョン達は出てきた料理を一緒に食べ始めた。

僕が不思議そうな顔をしているとジニョンヒョンが教えてくれた。

「ヒョンがたくさん食べる人でしょう。しかも色々な種類の物を、だから頼んだ物を少しずつ分けて貰ってってしてるんだよ。
その方が僕も色々食べれて楽しいから。」

「へえ〜。」

なんか、本当にジニョンヒョンとジェボムヒョンってすごいなって思った。

お互いがお互いの事を理解して当たり前のように行動してる。

それに、今頼んだ物の中にはジニョンヒョンが大好きな物もちゃんとある。

ふいにジェボムヒョンがジニョンヒョンの好きな食べ物のお皿を自分の所に持っていった。

それって、ジニョンヒョンの為に頼んだんじゃないの?
って思っているとジェボムヒョンはお皿の中のあるものだけを全て食べた後そのお皿をジニョンヒョンに渡していた。

「ほら!ジニョン。」

「ありがとう。ヒョン。」

なんなんだ。この2人は…。


あれっ?そういえばいつもなら、あれってジニョンヒョン食べていたと思うんだけど…。

「ねぇ?ジニョンヒョンってあれ食べれなかったっけ?」

「みんなといる時は食べてるけど、本当はあまり得意じゃないんだ。
だから、プライベートではヒョンがいつも食べてくれるんだ。」。

ジニョンヒョンの言う通りジェボムヒョンって優しいんだな。



そうだ!さっき気になった事聞いてみようかな?

「ジニョンヒョン?」

「なに?」

「さっき、ジニョンヒョン何も言わなかったのになんでジェボムヒョンはわかったの?」

「あ〜あ、あれね。ヒョンは僕を見てるとして欲しい事とか言いたい事とかがわかるんだって。」

「えっ?そうなの?」

でも、それはジニョンヒョンも同じだと思う。



僕は、目の前にある料理を食べながら2人を見ていた。


ジェボムヒョンが苦手にしている食べ物を箸でつかんでいる。

「ジニョン」

と声を掛けるとジニョンヒョンはジェボムヒョンの手を引き寄せ口に運んだ。

なんなんだよ、本当に。この2人出来すぎだよ。

僕は、食事をしているのか、2人を観察しているのかよくわからくなった。

だが、2人を見ていて羨ましいとも思っていた。



なんか僕達さっきすごく変な事聞いちゃったな。

『ジニョンヒョンは、ジェボムヒョンのどこが良くて一緒にいるの?』なんて…。

ジェボムヒョンは、メチャクチャカッコよかった。

だから、ジニョンヒョンはジェボムヒョンと一緒にいるんだ。


それに、どこがとかじゃなくて2人だから一緒にいるんだって事がわかった。



僕は、改めて2人の事がすごいと思った。


それと、2人が大好きだと言う事も改めてわかった。



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